自分の知らない未来
僕はその日も授業が終わると、逃げるように教室を後にした。そんな僕を呼び止める声がした。
「佐々木君、少し良い?」
それはクラスメイトの桧山香であった。学校でも1、2の人気者である。そんな彼女何のようだろう?
「佐々木君、私、あなたが好きなの」
桧山は言葉を続けた。
「あなたが今まで誰の告白に応えてこなかったことは知っているわ。それでも私もダメもとでも、告白したかったの」
「僕はそんなに良い奴じゃないよ」
そう言うと、桂はその場を後にした。なにか考えがあったわけではないが、行かなければとの思いはあった。
あの交差点に着くと、少年を探した。
『何が出来るというんだ』
その時後ろに人の気配を感じた。
「僕を止めて欲しかったのに」
そう言うと、いきなり背中を押され、車道に押された。
桂は運よく、事故にはならならなかったが、腕を骨折し、入院する事になり、セクハラし放題の生活を過ごした。
その日から4年がたち、桂にとっての運命の日を迎えた。
相変わらず、桂はコンパの日々を過ごしていた。
ただ前回と違うのは一人暮らしだと言うことで、女の子を連れ込み放題で、口八丁で生活費の全てを出してもらっている。相変わらずのクズであった。
何も出来ないと考え、渋谷に行くことさえ諦めている。
やはりその日はやってきた。
渋谷の街で原因不明の大量の死者がでたと、テレビや新聞は連日報じていた。
そんな中、インターネット一部にある宗教の陰謀論が出て、話題になっていた。
桂が流した書き込みには炭疽菌の亜種が使われたことまで、書かれている。
ある日、桂が寝ていると、部屋の中に誰かの気配を感じ、目を覚ました。
「香」
「桂が悪いのよ。気づいてしまうから」
そう言うと静かにナイフを桂の胸に突き立てた。
「教祖様の言葉に間違えはないわ」
カンダタは静かに桂を引き上げ始めた。
それはカンダタにとっては何度目かの重さであったが、桂にとっては初めての体験であり全てがつながる日であった。




