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 はたと気がつくと、部屋の常夜灯がチカチカと点滅しているような気がした。人の少ない田舎ゆえ、明かりが消えれば本当に真っ暗になってしまうこの家で、そのちらつきは今にも消えて仕舞いそうな蝋燭の揺らぎのように見えた。


 その不気味な点滅に、怖い夢を見たような気がして嫌な汗をぐっしょりとかいた男を、そこにあったものがさらに怖がらせた。


 まるでホラー映画のような薄暗闇で、その女は立っていたのだ。 

 常夜灯のある寝室の敷居の向こう、ちょうどこちらを見下ろすような格好で、ついと、見ているのである。驚いて部屋の電気を付ける紐を引っ張ると、部屋が、白銀に思えるほど真白に輝いた。しかし、そこには何もいない。


 不思議に思って、敷居を越えると、そこにはポロポロと菓子の屑が落ちていて、それがちょうど、子供が食い散らかしてそのままにしているような見た目なのであった。


 史郎は確かめるため、寝室を抜け出して母屋の結界に足を踏み入れた。


 彼女はやはり、寝る前と変わらぬ寝相の悪さで、布団から足を投げ出したような格好で寝息を立てている。


「また足だして……もう、風邪をひきますよ」男は、先ほど見た悪夢なようなあれが、なんだったのか気にはなったが、それよりも、目の前で夜風に当たって冷たくなった太股を布団のなかに押し込むことを先にした。


 そして、起こさぬように優しく毛布をかけ、ゆっくり、ゆっくりと布団なのかに手をいれた。

 それがあまりにも急なことだったために、神様はビクンと、震えた。


「神様、どうか、ごゆっくりされてください」史郎はそんなことを言いながら⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛、⬛⬛⬛。

 まだ、神様は寝息を立てている。

 不思議と、その体が雨にうたれたように濡れているようだ。

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