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円環

作者: タルト

開いてくださりありがとうございます。


ナンセンスな宗教世界を書きました。


評価・感想お待ちしています。ブックマークも是非していただければと思います。

くるくるくるくる、かちかちかちかち、くるくるくるくる、かちかちかちかち。


果てのない音、果てのない景色、終わりのない輪廻循環の響き、回り巡るはどこまでも。

定命にそれは見えず、かといって永遠不滅の生に捉えられるものでもない。

輪の中に在りし生命はしかし、輪の中に囚われていることを知らない。輪の外に在りし生命もしかし、それに気付くことなく、全て輪の中の頃と変わらない。


ころころころころ、くるくるくるくる、ころころころころ、くるくるくるくる。


回りて転ぐは生の様、転げて回るは終の様。過ぎているのか、戻っているのか、それさえ誰にも分からない。

先にあると言われるものはしかし、誰もがそう言っているだけ、見たことはない。

見られたことのないそれはしかし、何故か誰もが知っている。


こつこつこつこつ、とんとんとんとん、こつこつこつこつ、とんとんとんとん。


上がり下がりを繰り返す。前を向いて後ろに歩き、後ろを向いては前に歩く。誰も留まることはない。

見えないものが常に揺れている。誰もが止まる。いつまでも、あるいは、いつでも。

見えないものが常に流れている。誰もそれを知らない。誰もそれが見えない。しかし誰もがその存在を叫ぶ。


からからからから、ぐらぐらぐらぐら、からからからから、ぐらぐらぐらぐら。


軽きは重く、重きは軽く。回るも転ぐもみな同じ。回らぬを見て、回るを知る。回るを見て、回らぬを知る。

しかし、真の回らぬを誰も知らない。止まるを知らない、故に回る。

振られて、振れて、揺らいで、揺れて。そうして再び崩れ去る。


くるくるかくるくる、からからからから、かちかちかちかち、ころころころころ。


廻り巡るが輪の形。断てと繋げと願えども、どちらも知らずに輪と回る。


こつこつこつこつ、とんとんとんとん、ぐらぐらぐらぐら、がらがらがらがら。


突いて叩いて輪は揺らぐ、崩れ始めて、ほら、終わり。


最後までお読みくださりありがとうございました。

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