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7話 強欲争奪戦

「よぉ、怠惰。あれから随分成長してるじゃねぇか。あいつらは放って、俺と遊ぼうぜ?」



嘘だろ?何で今なんだ!?ちくしょう…やるしかないのか!



◇◇◇



あれから2日。俺達は強欲との交渉に向け、準備を進めていた。



「ノヴァ。強欲の奴が今何処に居るのか知りたい」


「御意。奴は今、帝国に近い北の渓谷に居るとの事だ。数日のうちに準備し、直ぐにでも向かうのが良いだろう」


「はぁ…この戦いに参加してからずっとだ…忙しいなぁ」


「それは仕方のない事だと思います。寧ろ、ご主人様が参加するまで動きが無さすぎたのですから」


「あ〜レベッカ…その呼び方ってもう決まりなの?」


「そのつもりですが…いけなかったでしょうか」


「いや、悪い訳じゃないんだけどね…ま、良いか。さて、強欲の所に向かう準備しよっか」



それから3日後。俺達は強欲との交渉の場に臨もうとしていた。まだ近くに傲慢や嫉妬、色欲が居ない事を確認してからの接触だったのだが…。



「おい、怠惰!強欲はあたしのもんって決まってんだよ。何勝手に近付いてんだ?」



俺達が交渉を始めようとする、まさにその瞬間、傲慢の乱入が入った。



「ふざけるな、傲慢。我等が何処に接触しようと勝手だろう。口を挟むな」


「はっ。怠惰に降った雑魚が生意気言ってるんじゃないよ」


「なんだと?私は合理的な判断を下したまでだ。窮地に居るのはお前だと気付かんのか」


「憤怒、貴様…」


「なんだ、言う事があるなら言ってみろ」


「おいおい、待てよ。二人とも。俺を置いて話を進めるんじゃねェよ」



睨み合いが続く二人に割って入ったのは、今回の交渉相手である強欲。



「それもそうだ…当事者を入れずにする話じゃなかったね」


「ノヴァ、代わる。で、あんたは何が言いたいんだよ?」


「あたしは強欲が欲しい。お前も強欲が欲しい。これはもう、戦い合うしかないと思わないか?」


「はぁ?」


「この戦いに勝った方が強欲を手に…いや、交渉出来る権利を持つ事が出来る」


「いいな、それ。怠惰、受けろよ。じゃねェと、こっちが味方になる可能性は無くなるぜ?」


「う…分かったよ。何やるんだ?」


「そこには俺が介入させてもらおう」



強欲が地面を揺らし、新たな地を整形する。俺達は地面の流動にそれぞれが強制的に動かされる。飛ぼうとしたが、足に拘束具が巻き付き、動けない。



「先に俺の元まで来たほうから話聞いてやるよ!魔力感知は勝手だが、俺の方まで飛ぶなよ!」



◇◇◇



「ちくしょう…かなり距離あるぞ。下手すると日が落ちるな」


「ジェイド、しかもこの壁の高さだと景色も参考にならないぞ。この迷路を自力で攻略するしか無さそうだ」



今、俺の周りにはカルラとレベッカが居る。ヘレンとノヴァとは離れてしまった。しかしヘレンと念話が使える為、合流を目指しながら強欲の元へ向かう事にする。


(ヘレン、聞こえるか?)


(ジェイド?これ何!?)


(念話だ。思うだけで俺に伝わる。それで早速だけど、ノヴァと協力して強欲の元に行ってほしいんだ。その間に合流出来たらしたい。それとノヴァは分かってると思うんだけど、戦闘になる可能性があるから気を付けろ!)


(え?え?ちょっと待って、何それ―)


「聞こえなくなった…もう…」


「どうかなされたか。ヘレン殿?」


「…ううん。なんでもないです。ジェイドから、合流出来たらしたいって事と、戦うかもって連絡があって…もっと話を聞きたかったんだけど念話?を切られちゃって」


「なるほど。ジェイド殿もあるのだろう。今の状況についてであれば、私がお答えしよう」


「ありがとうございます。じゃあ…」



◇◇◇



「さて、二人とも行くぞ。絶対に傲慢より早く到着する!」


「ご主人様。気合の入っている所すみませんが、既に正解の道が判明しています」


「はい!?」



俺は思わずずっこけそうになる。肩透かしを食らった気分だ。



「レベッカ、既に何か対策をしていたのか?」



俺の代わりにカルラが質問してくれる。それに答えるレベッカ。



「はい。地面が隆起した際にマーキングを付けておきました」



へぇ、レベッカは優秀だなぁ。…うん?あれ、ちょっと待ってよ?



「…あのさ、地面そのものが動いてるんだからあてにならなくない?」


「…あ」



膝から崩れ落ちるレベッカ。地面に手を付き、本気で落ち込んでる。



「まぁ…とりあえずさ、マーキングした方に行こうぜ!そっちである事は間違いないんだから、な?」


「…はい。すみません、ご主人様。折角お役に立てると思いましたのに」


「そんな事ないって!参考になってるから!ヘレンに念話でそれを目指すよう伝えとく!」


(ヘレン?聞こえる?)


(ジェイド?どうしたの?)


(ノヴァに伝えてほしいんだけど、レベッカが地面にマーキングした所があるからひとまずそこを目指してほしいって伝えて。出来ればそこで合流したい)


(分かった!ジェイドも気を付けてよ!)


(勿論。じゃあ後で!)


俺は念話を切り、二人と目標へ向け走り出す。



◇◇◇



「それでは我らも行くとしようか、ヘレン殿」


「あ、はい、お願いします!ノヴァさん!」


「さて…向こうか」



レベッカがマーキングを行った場所に駆け出すノヴァとヘレン。



「あの…!」


「どうかなされたか?ヘレン殿」


「ジェイド達が目指してる場所…ノヴァさんなら分かるんですよね?」


「左様。我が孫が行ったマーキングの為、私にもその場所が把握出来る」


「そうなんですか…!じゃあ、お願いします!」


「うむ、任された。安全は保障する故、安心していただきたい。…む。すまぬ、ヘレン殿。下がってくれたまえ、面倒が起きる」


「面倒とは心外だねぇ。さっきの決着といこうじゃないか、ノヴァ?」



ノヴァが察知し、側方から現れたのは、今回の対戦相手である、傲慢の龍の民の長、レイラ。



「…良いだろう。お前とは、先ほどの事について決着を付けたいと思っていた。それにここで倒しておけば、ジェイド殿の手を煩わせる事も無くなるだろう」


「言うね、老いぼれ。直系血族は途絶える寸前の癖に」


「お前…それは息子の事を莫迦にしているのか?ならば、尚更お前を通す訳にはいかん」


「ごたごたうるさいね!さっさと始めようじゃないか!」



レイラは腰を落とし、両手を拡げる。彼女の周りに風が舞う。



「来るといい…お前の言う老いぼれにも戦う術はあるという事を教えてやる」



ノヴァは空に文字を書く。すると薙刀が現れる。それを手に取り、構える。



「ヘレン殿、入口の辺りまで下がりなさい!ここでは巻き添えを喰らうぞ!」


「はい!ノヴァさん、頑張ってください!」



ジェイド達とは別の場所で、憤怒対傲慢の戦いが今、始まった。

1ヶ月も休んでしまい、すみませんでした…

続きを書くのに苦戦し、最近ようやく終わりへ向け、書いている所です。

しかし、書いてないものが思った以上に多く、後3話で纏められるか心配です。少なくとも、次話で強欲戦は終わらせます。

閲覧ありがとうございます。

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