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兄が頑張る青春ライフ  作者: 高木ルル
2/2

1 兄はニートである。

 世間一般では、エリートな両親を持つ子供は優秀に育つと言われている。


 誰だ。そんな無責任なことを最初に言った奴は。謝れ。


 父は日本一の偏差値を誇る大学を卒業し、現在は超王手の銀行で若手執行役員として毎日バリバリに仕事をしている。 母も高学歴と言われる部類の大学を卒業し、多種多様な物を制作する有名な企業に勤めている。


 そう、いわゆるクッソエリートというやつだ

 

 では、そんな両親をもつ子供達は成績優秀でスポーツ万能な完璧人間に違いないはず!

 

 いいや、ニートである。

 

 しかも、二人いる。


 兄妹(けいまい)でニートをやっている…

 

 だからエリート一家とはとても言えないのだ。言われないのだ。


 俺たち兄妹が大幅に差し引いているせいで…  

 

 父さん母さん、本当すいません。 妹の分も含めてあります。

  

 よし、ではなぜこうなったかをさっそく説明しようか。

        

 まず兄である新渡戸夏勢(にとべなつせ)こと俺から。

 

 思い返せば、保育園に通っていた頃からすでにその兆候がでていた。

 

 俺の保育園は昼飯を食べた後、一時間のお昼寝タイムがあった。

 

 友達のようなやつと遊ぶのも、先生と絵を描いたりするのも全く興味のなかった俺にとって、この誰にも干渉されない時間だけが至福だった。

 

 俺は飯を食べた後すぐにまだ飯を食ってる奴がいたにもかかわらず、自分のマイ布団を教室の角に敷いて寝た。


 なぜなら昼寝ポジションはめちゃくちゃ重要だと小さいながら認識していたからだ。

 

 俺はかつて一度、角をとれなかったときがある。

 

 給食にゴーヤチャンプルとかいういかにも子供が嫌い残しそうなものがでたときだ。


 しかし、苦手そうにしているやつもやはりいたが、意外にもみんな食べれていたのだ。

 

 まさかの長い間嫌って手がつけられずにしていたのは俺だけだった。

 

 その時自分が一番大人だと感じていた俺は、5歳にして初めて自分の無力さを痛感した。

 

 俺が一人ゴーヤチャンプルを残そうか残さないかで葛藤していた間に、横でもうすでにみんなは布団の上で騒いでいた。俺は自分が毎日していることがこんなにもうざかったのかと実感した。


 まあ実感しただけだが。

 

 プライドを捨てて一人だけ残した俺にはすでに自分の布団をひくスペースがなかった。


 なので先生にお昼寝という言葉には対照的な真ん中のスペースに誘導された。

 

 まあその後どうなったかはサルでも分かるだろう。

 

 その日を境に俺の昼寝に対する執着が急増加した。


 それが現状況の発端だったのかもしれない。

 

 小学校に上がった俺はお昼寝タイムがないことに絶望して、給食が終わる時間になっては泣いた。


 月曜日の朝には腹が痛くなり吐きそうになっている演技を毎週した。


 そしたら月曜日を定休日にしてもらえた。あの時に初めて努力の大切さを知った。


 三連休とクラスのみんなが盛り上がっている中、俺は一人、四連休がくることに感動していた。


 どうやって休むかばかり考えていた俺は、中学生の時には通学する日より休日の方が多くなった。

 

 それでも学校に行ってほしいと親に懇願され、俺は「家で勉強は結構してるんだし文句ないだろ」と不服に思いながらもなんとか行っていた。

 

 勉強することは嫌いじゃない。

 

 むしろ一人でやれて、やったら褒められるコスパの良さは好きだ。

 

 そんでくさいかもだが、自分が知らないことを知るのは悪くはない。


 だから高校には興味があった。

 

 俺は家の近くの高校なら通えるかもしれないと期待を膨らませた。

 

 本当はこのままじゃダメだ、変わりたいって思っていたのかもしれない。


 高校に行けば何か変わるかもしれないと… 


 誰か変えてくれるかもしれないと…

 

 そして行くと決めた俺は近くの高校が意外にも難関だったことを知ってかなり勉強した。家で。


 その学校で毎日青春を謳歌したいと思って、本気で勉強して落ちた受験生に申し訳ないと思いながらも合格した。

 

 行きたかったやつのためにも、俺は一生懸命通おうと決心して入学式を迎えた。


 そしてその一か月後の現在、俺は毎日が休日になっている。

 


 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

  

 


 

 

 




 

「なかなか面白いじゃないか」

「次もちょっと気になるな」

「まあ、読めなくもない」

などなど思った方は、ブックマークと評価をお願いします!


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正直な感想お待ちしております。


二話目から会話つきます。

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