正直者と嘘つき者のおむすび
これは、童話『金の読んでみてください。斧、銀の斧』を、模して作りました。
日が天高く昇る昼下り。
天界で、ピンクの蓮が生える池の畔、御釈迦様が、池を覗き込みます。
「下界の様子はどうかな。」
池には、下界の池が映っています。
「お、誰か来たぞ。」
池にやって来たのは、樵でした。
「お昼にでもするかな。」
樵は、石に腰掛け、懐から、おむすびを取り出した。
「おっかあの作ってくれた、おむすびの具は何かな。」
1つ目の具は、梅干しでした。
「ん〜、酸っぱーい、けど夏には堪んねぇ。」
2つ目は、おかかでした。
「おかかだ、おむすびの良い塩加減だな。」
最後の1つを食べようとしたその時!
「あっ!」
樵は、手を滑らせ、おむすびを池に落としてしまいました。
「あちゃー。」
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それを見ていた御釈迦様は。
「あらあら、可哀想な樵さん」
御釈迦様は、悲しげな顔をしながら、良い事を思い付きました。
「そうだわ、私が、池から女神として出てくれば、正直者ならきっと。」
御釈迦様は、早速女神に変身すると、下界の池に行きました。
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樵が、肩をて項垂れていると、突然池が光だし落とし、女神様が出てきました。
「私の元へ、おむすびが落ちて参りました。」
女神様は、4つの、おむすびを持ち。
「貴方が落としたのは、金のおむすび、銀のおむすび、銅のおむすび、普通のおむすび、どれですか?」
樵は、驚きながらも。
「ぼ、僕が落としたのは、おっかあの作った、普通のおむすびです。」
樵は正直に答えました。
「貴方は、正直者ですね、このおむすび、全部差し上げましょう。」
女神様は、樵に、おむすびを全部あげました。
「女神様、ありがとうございます。」
樵は、普通のおむすびに、小さな歯型が付いている事に気が付きました。
「歯型…?」
樵は、女神様の口元を見ると、米粒が付いている事に気が付きました。
「女神様、おむすび食べました?」
樵が、疑いの眼を向けると。
「い、いえ、美味しいおむすびなんて、食べてませんよ。」
女神様は、目を逸らして答えます。
「本当てますかー?」
樵が、更に疑いの眼を向ける。
「は、早く仕事に戻りなさい。」
女神様は、樵を追い払おうとします。
「まあ、良いですけど、女神様もお腹は空くのでしょうし…。」
樵は、仕事に戻って行きました。
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天界に戻った御釈迦様は。
「正直者で良かった。」
御釈迦様は、口元に付いた米粒に気が付き。
「バレていたのね。」
御釈迦様は、頭を掻いて、苦笑いをしました。
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下界では、樵が体験した事を母親に話しました。
「きっと、おむすびが美味しそうだったのね。」
母親は、笑いながら、おむすびの歯型の事を答えます。
「ふ〜ん、あの池には女神様が居るのね。」
扉から聞き耳を立てていたのは、隣に住む樵の奥さんでした。
「ねえねえ、あんた、隣の話を聞いたんだけどさ。」
奥さんが、隣の話をすると、次の日の朝、早速おむすびを渡し、送り出しました。
「金よ、金のおむすびよ。」
隣の樵は、昼下がりになると、石に腰掛け、態とおむすびを噛み、池に投げ入れました。
「あちゃ〜。」
隣の樵は、態とらしく肩を落とします。
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「あらあら、また正直者だと良いわね。」
御釈迦様は、一部始終を見ながらも、女神に変身し、下界の池へ向かいました。
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隣の樵が、肩を落としていると、池が光だし、女神様が現れました。
「あぁ、女神様。」
「私の元へ、おむすびが落ちて参りました。」
女神様は、4つの、おむすびを持ち。
「貴方が落としたのは、金のおむすび、銀のおむすび、銅のおむすび、普通のおむすび、どれですか?」
隣の樵は、金のおむすびを指差し。
「女神様、私が落としたのは、金のおむすびです!」
隣の樵は、金のおむすびは言いすぎかと思いつつも、奥さんに逆らえず、金のおむすびと答えました。
「貴方は、嘘つき者です。」
女神様は、顔を赤くして言いました。
「じゃ、じゃあ、銀の、銅のおむすびです。」
隣の樵は、赤い顔を見て、慌てて言い直します。
「まだ嘘を重ねますか、さっさと普通のおむすびを持って去りなさい。」
女神様は、更に顔を赤くして言います。
「め、女神様、お、おむすび、食べましたね。」
隣の樵は、更に嘘を上塗りします。
「はぁ、貴方には、正直の欠片も無いのですね。」
女神様は、呆れ返ってしまいました。
「わかりました、貴方には、腐った物した食べれない呪いを掛けましょう。」
女神様がそう言うと、見る見るうちに、おむすびが腐ってしまいました。
「貴方は、どんなに新鮮な物を頂いても、すぐに腐ってしまう、一生反省していなさい。」
女神様は、池に戻ってしまいました。
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天界に、戻った御釈迦様は。
「あそこまで、嘘をつく者が居るとは思いませんでしたわ。」
御釈迦様は、池から隣の樵の家を覗きました。
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「貴方、金のおむすびは?」
隣の樵は、出来事を全て話しました。
すると奥さんは、おいおいと泣き崩れました。
こうして、正直者の樵は、大金持ちになり、裕福な生活を送り。
嘘つき者の樵は、腐った食べ物しか食べれず、苦しい生活を送りましたとさ。
◇おしまい◇
読んで頂きありがとうございました。