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≪近代主力艦≫

―装甲艦【ディケファロス・アエトス】


 エリュテア海軍が海軍近代化のため、イギリスに発注した装甲艦。

 中央砲郭艦の【HMSインフレキシブル】の設計を基としつつ、イタリア海軍の【カイオ・ドゥイリオ級】の艦形を模倣した砲塔艦で、16インチ前装砲を2基備えている。

 エリュテア海軍が近代化のために航洋装甲艦をイギリスに発注した中、イギリスはイタリア海軍へ販売したアームストロング100トン砲、450㎜前装砲を4門搭載する【カイオ・ドゥリオ級】の出現で、『未回収のイタリア』の一部とされるマルタ島の沿岸砲台が無力化される恐れがあった。

 沿岸砲の大型化と同時に、イギリスはエリュテア海軍向け装甲艦の枠を使って、イタリア海軍の【カイオ・ドゥリオ級】を模倣し、仮想敵として利用することとした。


 排水量は1万1200トン、速力は14.5ノット。

 機関は形式不明石炭専焼円缶、横置き型レシプロ機関2基2軸推進。

 武装は16インチ連装前装砲2基4門、後装式100㎜単装砲4門。

 【ディケファロス・アエトス】は1885年に就役、艦隊旗艦となった。

 1900年の『義和団事件』への対処の帰路で海図にない暗礁で座礁し、天候にも恵まれず離岸することも適わず喪失した。



―装甲艦「クリューソテミス」


 エリュテア海軍が海軍近代化のため、イギリスに発注した装甲艦。

 大型の防護巡洋艦をベースに装甲帯を取り付けたような艦となっており、主砲は23.4cm連装砲2基と控え目である。

 副砲は15.2cm単装速射砲が12基、4.7mm機砲は10門に、魚雷発射管は艦中央部左右に45cm水中魚雷発射管があるのみとなっている。


 排水量は9500トン。速力16.5ノット。ベルヴィール式石炭専焼水管缶24基、直立式四気筒三段膨張型レシプロ機関二基二軸。

 バイタルパート舷側に152㎜の装甲、弾薬庫及び機関部の甲板に76㎜、甲板装甲は25㎜、主砲前盾152㎜に左右及び背面76㎜、副砲ケースメイト76㎜。司令塔は234㎜。

 1番艦「クリューソテミス」が1891年に就役。

 2番艦「ヒュギエイア」は1892年に就役した。

 1900年のスペイン領ギニアを巡るスペインとの戦争においては、建造中の艦隊装甲艦「ディケファロス・アエトス」に代わって主力を務めた。

 


 


―艦隊装甲艦【ディケファロス・アエトス】


 エリュテア海軍初の国産戦艦。1895年起工、1901年に就役。排水量12500トン、速力18ノット。舷側水線部中部が229mm、10inch-25.4cm連装砲2基、15.2cm単装砲14門。

 水雷艇対策に4.7mm機砲12門、45㎝水中魚雷発射管を艦橋左右と艦尾に備えている。

 通商破壊戦に対抗するために火力と装甲を抑え、航続距離や速力に重点を絞った設計で、より大型の装甲巡洋艦とも言える。

 エリュテア王国は当初二隻を想定していたが、戦艦の国産事業は様々な問題を引き起こし、最終的に《1万トンを超える戦艦はイギリスに発注したほうが安上がりで早い》と結論された。


 就役当初は【アトラス】と名付けられたが、装甲艦【ディケファロス・アエトス】の座礁・損失から艦名を引き継いで艦隊装甲艦【ディケファロス・アエトス】となった。


 戦艦の外部委託が決定されたために、これにより王国の軍艦建造は衰退すると思われたが、海軍独裁の下でそれらの決定は覆され、のちに王国は戦艦並みの巨体を誇る装甲巡洋艦を建造している。

 近年の研究では戦艦の国産事業の停止は単に「国内造船所が海軍の要求する数字に納得しなかったため」に破綻したのであって、技術的問題は蓄積によって解消されるはずだったとされている。

 後に建造された1万5000tクラス装甲巡洋艦は、建造スケジュール通りに無事に進水まで繋がっている。


 機関はベルヴィール式石炭専焼水管缶30基、直立式四気筒三段膨張型レシプロ機関2基2軸。舷側水線部中部が229mmとなった以外は「クリューソテミス」と同等の装甲となっている。

 ワシントン海軍軍縮条約により、武装の一部を撤去し練習艦として再就役。

 1940年にはヘスペリデス軍港において防空砲台としてハリネズミの如く武装していた。


 全長:134.6m

 全幅:21.4m



―【ヴァシリオ・アルカディウス級前ド級戦艦】


 旧スウィフトシュア級。英国より2隻購入。

 【ヴァシリオ・アルカディウス】はガリポリの戦いにおいて触雷し、戦没。

 ワシントン海軍軍縮条約により廃艦。


 「ヴァシリオ・アルカディウス」

 「ヴァシリッサ・エウドクシア」


 

―【マルキシオス・アルカディウス級前ド級戦艦】


 艦隊装甲艦【ディケファロス・アエトス】が大型かつ贅沢な仕様となり、予定していた隻数が確保できないために設計された廉価版戦艦。海防戦艦とも。

 1899年に1番艦が起工され、民間の造船所でも3隻が起工された。10inch-25.4cm連装砲2基、15.2cm単装砲12門、、4.7cm単装機砲6基。

 排水量8600トン。速力18ノット、舷側水線中部に最大で203mmの装甲が張られ、軽量化のためにミリタリーマストを排して軽量の単脚マストとしている。


 副砲は省スペース化のため舷側ケースメイト配置とし、舷側に等間隔で上下に2基ずつ3箇所の片舷計6基の配置で計12基を搭載したが、外洋においては下側から波が入りこむことがあった。

 また軽量化のために後部甲板は1段下がった低い艦舷となっており、後部甲板は波を被りやすいだけでなく、士官室が船体中央部に組み込まれていた。

 当初は3隻の建造だったが、艦隊装甲艦「ディケファロス・アエトス」の建造トラブルから1隻目がキャンセルされたため、4隻目が起工された。

 機関はベルヴィール式石炭専焼水管缶28基、直立式四気筒三段膨張型レシプロ機関2基2軸。


 ワシントン海軍軍縮条約により、全艦が廃艦。


 全長:114.6m

 全幅:19.05m

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