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≪通報艦≫

―テネリフェ級航洋砲艦


 エリュテア王国海軍が「海防型巡洋艦」として国内建造がなされた航洋砲艦。

 排水量1360トン、速力14ノット、エルスウィック社製8インチ45口径砲を前甲板左右に張り出しを設け両舷1門ずつ、QF 12ポンド12cwt海軍砲を6門、ノルデンフェルト1インチ機砲を4門備えている。

 建造費と工期を抑えるために平甲板型が採用され、艦橋も駆逐艦の艦橋をやや広げたような形となり、防御は極めて軽微だった。

 

 ディオニソス&アイグレー造船所にて二隻が建造されたが、小型の船体に武装を詰め込んだため復元性にやや難があり、帆走装具を取り去りマストと煙突を切り詰める改装工事が行われた。

 1番艦「テネリフェ」、2番艦「アゾレス」がそれぞれ建造され、民間の造船所でも3番艦「カナリア」が建造、さらに4番艦「セネガル」が建造された。

 第一次世界大戦のガリポリの戦いにおいて、3番艦「カナリア」がオスマン帝国の240㎜沿岸砲の攻撃を受け大破、1番艦「テネリフェ」も同日に集中砲火を受けて炎上。

 

 幸いにも損失はなかったが、この損失によって戦艦の派遣を決めたエリュテア海軍は、後日前ド級戦艦「ヴァシリオ・アルカディウス」を機雷で失うことになる。

 第一次世界大戦後には全艦が損傷と旧式化で使い物にならない状態であったため、即座に退役した。




―エストレジャ級通報艦


 テネリフェ級の更新用として計画された通報艦。

 戦時中に6隻が起工し、戦後にさらに12隻が建造された。

 設計製造は主にディオニソス&アイグレー造船所だが、民間造船所でも建造された。

 商船構造を採用した小型の通報艦であり、主機はフランス製ディーゼルエンジンを使用。

 テネリフェ級航洋砲艦を置き換え、合計で12隻が建造され、ほとんどすべてがカリブ海と大西洋植民地に配備された。

 武装は120mm単装砲が3門とホッチキスMle1914機関銃が6基搭載され、機雷敷設用の装備と爆雷投下軌を備えていた。

 ガリポリの戦いでの戦訓から海兵隊一個小隊(50人)を座上させることができ、揚陸用の内火艇を積載することもできる。



―ゲリボル級通報艦


 地中海方面での哨戒・護衛活動を念頭に計画された通報艦。

 それまでの商船構造から脱却し、フランスの『ブーゲンビル級通報艦』に影響を受けた設計コンセプトで設計がまとめられた。

 船体は大型化されたが、主機はフランス製ディーゼルエンジンを引き続き採用し、120mm連装砲を前後甲板に1基ずつ備えた。

 

 対空兵装としてQF2ポンドポムポム連装砲を4基、ホッチキスMle1914機関銃が6基搭載され、機雷敷設用の装備と爆雷投下軌を備えていた。

 船体は艦首乾舷の高い単船首楼型で、クリッパー・バウ式艦首を持っていた。艦橋は嚮導駆逐艦のものを改設計し、左右に大型の張り出しを設けた。

 また特徴的な設計として、左右甲板にQF 3.7インチ山岳榴弾砲を搭載して発砲可能な半円系の張り出しが設けられていた。


 これは上陸作戦時や艦砲射撃時の火力向上を狙ったものだったが、なんの防弾装備もなかったため南京事件 (1927年)の際には岸辺からの銃撃により3名が負傷した。

 そのため後に中国艦隊の3隻には改装が行われ、QF 3.7インチ山岳榴弾砲を改造し甲板に設置し、防弾用の装甲板で囲ったものとなっている。



―プロトポロス級通報艦


 ワシントン海軍軍縮条約において規定された補助艦艇の枠内を目いっぱい使用した通報艦。

 排水量2000トン、速力20ノットに主砲は140㎜単装砲4門と13.2㎜機関銃を8基、対潜装備に加えてゼファー&ヴァンク・ケリドノプサロを1機搭載している。

 西インド造船所で3隻が建造された他、エリュテア本国においても溶接構造に適した設計に改められ、5隻が建造された。西インド造船所のものはアメリカ製の機関を搭載している。


 西インド造船所の3隻は第二次世界大戦中も含めてカリブ諸島海域の哨戒任務を行った。

 本国建造の5隻のうち1隻はエリュテアのアジア植民地の海南島へ、さらに2隻はインド洋植民地へ派遣された。

 残った2隻は北アフリカの大西洋植民地に派遣され、全艦が大戦全期を通してそれぞれの任地で任務を行った。

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