POISON
携帯をポケットにしまいこみ
僕はいつものように玄関を開け、登校した。
登校中は、気まずい。
いくら前より友達が増えたからといっても気まずい。
え、誰が友達になったのって?
そんなの決まってるじゃないか、、、
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あれ?出ない!!
おかしいぞ。
いざ頭に思い浮かべると名前が出てこない!
あ、神代さんがいるじゃないか!
僕ってバカだなぁ。
安心したのも一瞬、僕に新しい疑問が降りかかる。
いや、待てよ。
もしかしてだぞ。
僕が友達だと思ってても相手はそう思ってないかもしれないじゃないか。
もしかして社交辞令なんじゃないのか!
よくTwitterとかである
あまり仲良くない女子がリプライで
「今度廊下で会ったら話しかけてねー」
とか言って廊下ですれ違ったら真顔になるやつ。
あれは高校生にして社交辞令を覚えてるってことなのか。
でも僕は残念ながら女子にそんなこと言われたら
好きに、、、
おっと友達だと思ってしまうから、話しかけてしまうじゃないか。
もしそうなってみろ。
神代さんと廊下ですれ違った時に浮かれ気分で話しかけてしまうじゃないか!
こうなってくると意味も分からず腹が立ってくる。誰に向けた怒りか分からない。
行き場のない怒り。
僕はこれをどこにぶつけたらいいんだ。
頭の中に言葉にならないモヤモヤがドンドンと湧いてくる。
そんな時、リトル立嶋が僕の耳元でひそひそとつぶやいた。
リトル立嶋は、どうやら僕にヒントを与えたらしい。
なるほど。
今の僕の心情を言葉にしろってことだな。
リトル立嶋は、期待してるぞと言わんばかりの顔をしていた。
僕は意気込んだ。
期待にこたえるのが漢ってもんだろい!
「任せておけ、もう1人の僕。これが未成年の主張っていうものなんだな!」
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ドヤ顔をしながら、
僕はゆっくりリトル立嶋の顔を伺った。
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反応が薄い。あ、気まずい。
そんな真顔で見つめるなよ。
不意に僕の防衛本能が働く。
「あ、やっばり青春かな...」
ゆっくりとリトル立嶋は頷いた。
言いたいことも言えないこんな世の中。