書きたいことを気ままに書くよ。 ⑤
転職あるある。
たぶんですが。
隣の芝生は青く見える、そんな感じのお話です。
転職して早半年。目まぐるしい日々が過ぎた。
味気ないルーティンに嫌気がさして、新天地を求めに羽ばたいたら、そこから見える景色は全く違うものだと、思って疑っていなかった。
ひたすら、がむしゃらに仕事に向き合って、端から見たら笑えちゃうようなことにもうんうんと頭を悩ませて、苦しんで、もがいて行き着いた先は、結局自分の身体を壊しただけだった。
これじゃダメだと思って、何とかしなきゃと思って、悩んで悩んだ末にここまで必死に走ってきたのに、行き着いた先が、ここなのか?
自分の現状を誰かに話したときに、所詮は「その程度の苦労で」って、軽い言葉でなかったことにされちゃうような場所だったのかなぁ?
そんなのが嫌で嫌でたまらなくて、そこの見えないぬかるみを必死で掻き分けた。
希望に溢れた対岸は、たしかにあるのだと信じてやまなかった。そのはずなのに。
半年後の自分は、そのときの情熱や想いを失いかけている現実に恐怖する。
秋風がざわり、と頬を撫でた。
私は徐にスマホを取り出した。
落ち込んだときはかみさまの言う通り。占いに頼るのが私の癖だ。
私はアプリを立ち上げるとポチっと今週の占いページを押した。
『今週のあなたは新しいことに挑戦して、ワクワクする日々を送ることでしょう』
その一文にイラッとして、思わずスマホをベッドにぶん投げた。
ふざけんな!!
一時的にカッとはしたものの、壊れていないか心配になってすぐにスマホを確認する自分が憎い。
「よかったぁ、だいじょうぶだ~」
我ながら情けない。
私は無意識に両手でスマホをさすっていた。南無南無のポーズ、うん、微妙。やめよう。
そんな風に思いながら、再び占いの続きを読み進める。
『一方で調子が良いときは、他方が調子の悪いときでもあります。この世はバランスよくできているのですよ。落ち込まないで』
その一文に、ハッとして目が覚めた。
私は、全てがいい方向に、自分に都合のいいことだけに向いてほしいと考えすぎていたのかもしれない。
さあ、落ち込んでないでひとつひとつのことに向き合っていかなきゃ!
そんな風に思った、ある休日の昼下がり。