書きたいことを気ままに書くよ。 ③
ある夏の日の思い出。
〇〇〇
待ち合わせの時間に幾分か早く着いた私は駅前のガードレールに軽く腰を掛けた。
季節はもう夏休みに入って幾分か経っているというのに、長袖のシャツを軽やかに羽織る人が幾人も行き交っている、そんな日だった。
私は左手に着けた腕時計を何度も見てしまう。我ながら落ち着きのない人間だ。
いつ彼女が駅の改札口から現れるのかと思うと、そわそわして落ち着かなくなってしまう。
ただじっとしていることができず、スマホのアプリを立ち上げ今日の新聞でも読もうかとするが、全く内容は入ってこなかった。
そんなことをしていると、LINEの通知が来た。慌てて宛先を見ると、彼女からのメッセージだった。
「駅に着いたよ!今、どこにいる~?」
私ははっとしてあたりを見渡す。一体どこにいるんだ?
丁度電車の乗り継ぎのタイミングだからか、幾人もの人が改札に押し寄せ、彼女の姿が見つけられない。
『改札の出口を間違えたか……』
この駅の改札は西と東に分かれている。今日の目的は、東口の改札方面にあるかき氷店に寄ることだ。だから、私は東口で待っていたのだが。
もう少し待ってみてから彼女を探しに行こうかと逡巡したときに、彼女が私を呼ぶ声がきこえた。
「お~い」
軽く手を振りながらこちらに駆けて来る姿を見た。
ひざ下まで丈のある真っ白なワンピースに身を包んだ彼女は、とても美しかった。
彼女のほっそりとした体躯に、素肌の白さがあいまっていて。太陽の光をいっぱいに受けている。
彼女のうなじに掛かる長さの黒髪がふわりと舞った。
「ごめん。お待たせしました」
私の前で申し訳なさそうな表情を浮かべながら、両手を合わせてごめんなさいのポーズをとっている。
人を待つ時間というのも、悪くないなと思った。
「時間はたっぷりあるし、別に構わないよ。じゃあ、さっそく店まで行こうか」
「うん」
そうして私たちは目的地に向かって歩き出したのだった。