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エイトの出張

ルミナ、考えすぎだって。君らしくもない。

ヤツが僕たちの招待に応じないのは君のせいじゃないよ。


ん?結婚式の二次会にも僕の友人の中で唯一アイツだけが参加しなかったって?

お堅い職業の人だからカフェに勤めていた自分を嫌っているんじゃないかって?


あはは、それはない。

あいつは真面目なヤツだけど、人をそんな色眼鏡で見るなんてことはしない。

それは僕が保証する。

ほら、君も覚えているだろう?

僕たちの結婚式でのヤツの顔色の悪さ。

あの時はたまたま体調が悪くて二次会に参加できなかっただけなのさ。


ヤツがうちに遊びに来ないのは忙しいから。ただそれだけだと思うよ?

いや、まてよ。もしかして警戒しているのかもしれないな。

ちょっと頼みたいことがあるなんて僕が言ったものだから。

融資でも頼まれると思ってるのかも?

アイツ、兄さんたちからエイトにだけは金を貸してくれるなって耳にタコができるほど言われてるって言ってたからなぁ…

兄と僕との板ばさみにあうのはごめんだと思って僕を避けているんじゃ…

そうだとしたらひどい誤解だ!

僕は君の姉さんの就職を頼みたいだけなのに。


しかたない。

出張から帰って来てから説明の手紙を書くことにするよ。

君も早く姉さんをこっちに呼びたいだろうけど、もう少し我慢しておくれ。

しかし君の姉さんも頭が固いね?

とりあえず仕事を辞めて先にこっちにくればいいのに。

今の勤め先、あんまり労働条件が良くないんだろう?

妹の結婚式に出るための休みももらえなかったわけだし。


…エミリには結婚式に出席してもらいたかったな。君のために。

僕はあの日花嫁控え室に一人でいる君を見てかわいそうでたまらなかった。


あ、違う違う!

別に君のお姉さんのことを悪くいうつもりじゃないんだよ?ただ…


え、君もエミリが結婚式に出てくれなかったこと密かに恨んでるの?私より仕事を取ったって。

ははは、僕たちはいつも同じ事を感じているね?


おっといけない、そろそろ汽車の時間だ、行かなくちゃ。

一週間も家を開けるなんて心苦しいけど、これも君の株を上げるためなんだ、辛抱しておくれ。

あの娘と結婚してエイトは変わったって周囲に思わせるために僕は仕事を頑張ってるんだからね。

僕がいなくて退屈かもしれないけど、その間、君は新しく作る服のデザイン画でも描いていればいいさ。


さあ、出発の前にいつもより長めのハグを!

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