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スラッガー⚾️  作者: 宇目 観月(うめ みづき)
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春の大会

小五の春、初めてレギュラーで大会に出た時は物凄く緊張した。


僕が住んでる地域は、なぜか昔から野球が盛んで、市内にある十六チームはみんな歴史が古いんだ。


市内では毎年、春から秋まで何々(なになに)争奪戦とか新人戦とか、色んな大会が開催されてるんだけど、僕のチームは市長杯争奪戦に的を絞って練習してる。


僕のチームの高野監督は、


「文武両道、野球も勉強も頑張れ」


っていう指導をしてるから、選手達があまり無理し過ぎないように、出場する大会は慎重に選んでるみたい。



市長杯争奪戦は、毎年春と夏に開催される。


市民球場で行われる開会式には、市長さんが必ず挨拶に来るんだ。


今の市長さんは元高校球児で、野球が大好きなんだって。


野球が盛んな伝統を守ろうと、市も力を入れていて、開会式のセレモニーなんかも凄いんだ。


市内の小学校のブラスバンドまで来て、

ホームベースの近くに、優勝旗や盾や

記念品なんかがたくさん並べられて、

入場行進や選手宣誓まであるんだ。


市民球場は最近出来たばかりで、球場の外側にはまだ整備されていない場所もあるけど、スタンドには万国旗がたくさん飾られて、

お客さんもほぼ満員。


開会式前には、大会の開催を知らせる号砲まで派手に打ち上げられるんだ。


「ピュー、パーン、パーン」


ってね。



耀も大会を観に来てね、


「翔太たちは良いよねー、こんな盛大に大会やってもらって。サッカーにも、もっと力入れてほしいわ」


って、文句言ってた。


だけど僕の地域の子供たちは、野球チームに入る人が多くて、サッカーチームも歴史は古いけど、もともと数が少ないんだ。


女子のサッカーチームはもっと少ない。


耀には申し訳ない気もしたけど、耀が喜ぶように試合で頑張ろうって、僕は思ったんだ。



でも僕のチーム、「デンジャラス」は、去年は三試合目で負けちゃった。


その試合に勝てば、Aブロックで優勝だったのに。後は、Bブロックの優勝チームと対戦して、勝てば市のチャンピオンチームになれたんだ。


だけど予想通り「ブラックホークス」がBブロックを突破して、Aブロックの優勝チームを破り、市のチャンピオンになっちゃった。


春の市長杯争奪戦は県大会が無いから、

市内で優勝チームを決めて終わり。



僕は三試合で合計十打数五安打だった。


毎試合、面白いようにヒットを打ったんだ。

応援に来た耀と母さんが凄く喜んでくれた。


僕は恥ずかしくて、一度も二人が居るスタンドを見れなかったけどね。


だけど、二人の前で活躍出来たから、とても嬉しかった。


守備でもミスがなかったし、ホッとしたよ。



チームは負けたけど、自分なりには自信が持てた大会だった。


野球を始めてから一年半、みんなが塾や習い事に行ってる間に、僕は一人で一生懸命練習してたからね。


特に、バッティングのレベルが上がったって実感出来たんだ。


僕はその頃、ライナー性の強い打球を外野まで楽に飛ばせるようになってた。


ピッチャーが投げるボールをイメージしながらたくさん素振りしたからね。


血豆が何度も潰れて、手の皮が厚くなるくらい練習したんだ。


母さんが買ってくれたバッティンググローブは、勿体もったいなくて、ほとんど使ったことがなかった。


それから週に二回くらいは、母さんが暇を見つけて、僕をバッティングセンターに連れて行ってくれたんだ。


バッテイングセンターで、思う存分打撃練習をやらせてくれた。実はこれが、物凄く良い練習になってたと思う。


やっぱり、努力は裏切らないって思った。

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