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第9章 アナウンスをしたのは誰?

 二人は気が付くと病院だった。原因は、酸素系洗剤と塩素系洗剤を合わせたときに発生する塩素ガスがだったみたいだ。それから、二人は相手を責めあった。


「京子が目が悪かったから悪いんだ。ちゃんと子供のころから目が悪くならないように生活していればよかったんだよ。」


「雪子が洗剤を入れたと言わなかったから悪いんだ。私が目が悪くて眼鏡を忘れたことぐらい知っていただろ。」


この日からお互いをバカにしあうようになった。



 雪子は、いつの間にか幼稚園まで来ていた。すると、もうすぐ年少の障害物競走が始まろうとしていた。そして本部席まで行った。雪子は自分のやったことが許されるのかと心配になった。


「先ほど大きな声を出して強制退園させられた秋原雪子です。あの時は本当に申しわけありませんでした。反省しています。」


雪子は深々と頭を下げた。放送席の人は話し合った。そして意外な答えが返ってきた。


「実は、私たち、出ていけなんて放送していないんですけど。もし本当にそういわれたのなら私たち以外の人が放送したことになります。」


雪子は顔を上げた。その顔を見るとポカーンとしているように見えた。雪子は理解できていないという様子で放送席の人をを見たそして、言葉を求めた。そして放送席の人が沈黙を破った。


「自己紹介を忘れていました。私、冬森彩花(ふゆもりあやか)と申します。」


「私は北野圭子(きたのけいこ)と申します。」


自己紹介を二人が終えると、雪子はあることに気が付いた。二人の後ろに校長先生がいることを。


「冬森さん、北野さん、後ろに園長先生がたっていますよ。」


二人は恐る恐る後ろを見た。すると二人の視界には園長先生の恐ろしい顔が映っていた。二人は血の気が引くのを感じた。


「冬森君、北野君、仕事をさぼるとはどういうことかね。もう年小の障害走始まるんですけど。放送はまだですか。」


園長先生が冷たい目で見た。


「三人とも話を聞く。ついてきなさい。その間だれにアナウンスを任せようかな……よし副園長先生にしよう。」


園長先生は、副校長先生にアナウンスで、交代してと呼びかけた。そして園長先生は冷たい声で言った。


「さて、ついてきなさい。」


雪子は、なんて冷たいんだろう。と思った。


第10章へ続く。

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