第7章 雪子と京子の関係
そのころ、雪子は、家に帰って、ストレス解消サンドバックで、ストレスを解消していた。雪子はどうしても仕事から手が離せなくて、運動会に行けない、夫の信太郎に電話をかけた。
プルルルルルルル……プルルルルルルル……プルルルルルルル……プルルルルルルル……プルルルルルルル……プルルルルルルル……プルルルルルルル……プルルルルルルル……いくら待っても、電話に出なかった。雪子は、電話を投げつけるようにして戻した。そして、雪子は、冷静に考えた。幹太が電話に出ない→電話に出れない。電話に出れない理由は?雪子は、考えた。そして,気づいた。幹太が電話に出ないのは、仕事が忙しいからだということを。
雪子は、自分のことをバカにし始めた。なんで私は、こんなにバカなんだろう。そんなこともわからないなんて、運動会の時に、大声を出してしまったのも、きっと、ここが、大声を出してはいけない場面だということを、自覚していなかったからだ。そして、このバカさを、直すために、反省も踏まえて、幼稚園に謝りに行くことにした。
雪子は、京子に、大きな憎しみを、持っていた。雪子は、京子のことを考えると、昔の京子の方が良かった、と、いつも感じてしまう。
幼稚園に向かっているときも、昔の京子の方が、良かったな、と、雪子は、感じていた。そして、そのころのことを、思い出してみることにした。
雪子と京子がはじめてであったのは、大学に入学してからだった。二人とも、A幼稚園の近くにある、H大学の生徒だった。京子は、隣の、G県出身だったが、この学校に入学するために、こっちにやってきた。H大学は、A幼稚園のある、O県の中でも、授業が素晴らしいということで、人気があり、京子も、それにつられてH大学に、入ったのだという。入学当時は、雪子と京子の仲は良かった。
その後、しばらくは、仲が良かったが、ある日、悲劇が起きて、お互いの信頼をなくし、仲が、悪くなったのだ。
悲劇の日、雪子と京子は、普通に登校して、研究室に入った。雪子は、昨日から洗濯槽が汚いなと思っていたので、酸素系洗剤を持ってきていた。京子も、雪子と同じことを思っていて、塩素系洗剤を持ってきて、洗濯槽を洗おうと思っていた。その二つの洗剤は、二人とも洗剤置き場に置いた。洗剤置き場は、研究室のシンクのそばにある。その近くには、洗濯機もあった。二人は、洗濯槽の掃除をすることを知っていた。しかし、雪子は、自分の酸素系洗剤で洗濯槽を掃除すると思っていた。京子は、自分の塩素系洗剤で洗濯槽を掃除すると思っていた。この感じがいが後の悲劇を起こすことになった。
第8章へ続く。