第5章 正斗の運動会 part3 A幼稚園音頭と、雪子退園
「保護者の皆さんも、一緒に手拍子、お願いします。」
すると、ほかの人も手拍子を始めた。しかし、雪子は、気が乗らなく、手拍子をしなかった。そして、再度アナウンスが流れた。
「雪子さん。秋原雪子さん。手拍子をしてください。」
何百の目がいっせいに雪子の方を見た。雪子は、顔が真っ赤っかになった。そして、申し訳なさそうに,手を、パンパン。とたたいた。と、そこに、突如、京子がやってきた。そして、皮肉のこもった声で言った。
「あ~ら、雪子さん。そんな手拍子じゃだめよ。もっと大きく、パンパン。はい、やってみて~。」
雪子は仕方なくやった。
パンパン。
雪子が手拍子をすると、うなずいて、去っていった。
雪子は、そのすきを見て、手拍子をやめた。
すると、楽しそうな音楽が流れてきた。
♬いよー、A~幼稚園~たのしいよ~。パンパン(手拍子)幼稚園~……
そして、京子がまた来て言った。
「みんな手拍子しているよ。ほら、やってやって。」
雪子は、こんなポンコツ野郎に指図される覚えはないと思いながら、仕方なく手拍子をした。
パンパン。
「もっと大きく!」
パンパン
「もっと大きく!」
雪子は、頭の血管が切れた。
「うるせえ!手拍子なんか、自分で決めることじゃないか。お前は、関係ないんだよ。いちいち口出すな!」
雪子が言い終わると、アナウンスがなった。
「雪子さん。うるさいです。競技の邪魔です。会場から出てってください。」
京子は小声で笑った。そして、雪子は、荷物を持って、京子に捨て台詞を吐いた。
「覚えていろよ! ポンコツ野郎。」
そして幼稚園を出て行った。
第6章に続く。