第18章 正斗の運動会 part8 ダンスと正斗のドッジボールとの出会い
正斗たち年少児は、ダンスの定位置についた。しかし、正斗はフラフラして全くやる気がないような状態だった。保太は、まだ音楽すらなり始めていないのにすでに踊り始めている。そして1人だけ周りの人から拍手をもらっていた。
「気を付け!」
神原の大きな声が会場に響いた。正斗も、保太も、保護者も、みんな背筋が伸びて静かになった。しかし、正斗はすぐにフラフラし始めた。
音楽が鳴り始めた。すると、年少児はダンゴムシのように丸まった。まずは堅い芝生の上で前回り、後ろ回りだ。みんなで一斉にくるくる回ることで観客にダンゴムシをイメージさせるのだ。正斗はみんなとものすごいずれて前回りをした。さらに始めたときの向きと90°ずれて着地した。結局、最後まで正斗のせいでグダグダなダンスになってしまった。
年少児が応援席に戻ると、すぐさま保太が正斗を責めた。
「おい、正斗! ダンスずれすぎだぞ! せっかくのダンスが台無しになったやんか!」
「もう終わったことは仕方ないだろ。」
正斗が言った。すると神原が割り込んできた。
「正斗君と保太君っていっつもケンカしているよね、ケンカをやめて座って。」
神原の言うとおりに二人は応援席に座った。
そして、順調に運動会は進み、リレーが終わった。するとアナウンスが鳴った。
「先生方全員は、年長の宝探しの定位置についてください。」
すると神原が言った。
「年少のみんな~。静かにしててね~。」
「「「「「「「「はーい」」」」」」」」
みんなは威勢よく返事をしたが正斗と保太は違った。神原が応援席を離れると、正斗と保太はにらみ合った。ちなみに、年長の宝探しというのは、幼稚園の森に隠されている宝を宝の地図をみて探し出すというものだ。
二人がにらみあっているころ、年長児は幼稚園の森に入っていった。そして、二人も幼稚園の森に入っていった。保太が言った。
「2人ドッジボールでもやろうか。そして今度こそ俺が勝ってやる!」
正斗が首をかしげて言った。
「は、ドッジボールって何?」
「そんなことも知らへんの、バカやなー。今まで何で遊んできたんや。ドッジボールっていうのはな、ボールを投げあって当たったら外野に行って、最後、内野にたくさん人がいた方が勝ちという遊びなんや。とればOK、当たったらNG。分かったか?今日は二人やから当たったら負けということでいいか?」
保太は足で線をかきながらいった。そして、器具庫へボールをとりに行った。ボールを取りに戻ると、保太はルール説明の続きを始めた。
「俺は蹴って正斗に当てる、正斗は投げて俺に当てる。いいか? よーいスタート!」
いきなりドッジボールは始まった。正斗の準備ができていないうちに保太はボールに蹴りを入れる体制に入っていた。
第19章に続く。




