第11章 京子の取り調べ
4人が園長室へ入ると、園長先生は京子に1人用ソファに座るようにすすめた。雪子、冬森、北野は長ソファをすすめた。園長先生と京子は対面して座っている。お互い真顔で見つめあっている。しばらく真顔での見つめ合いが続いた。すると、園長先生が先に口を開いた。
「さて、見つめあっていても仕方ない。早速聞きます。なぜあなたは逃げたのですか。」
急に園長先生が真剣な顔になった。京子は下を向いた。
「なぜ下を向くのだ?」
校長先生は京子にダメ出しをした。すると京子はまっすぐ前を向いた。
「なぜ答えないのだ? このわしが質問をしているのに。」
「………………」
園長室では、外で行われている運動会の音しか聞こえなかった。すると急に園長先生が「パン!」と机をたたいた。雪子、冬森、北野はびっくりしすぎて数センチ飛び上がった。京子は何も動じなかった。
「はよ何かいえ! 京子! 何をしたのか。」
京子は悲しい顔で言った。
「雪子にアナウンスで強制退園を命じたのは、私のいとこの森口晴美です。」
園長先生は驚いた顔をした。
「だから逃げたのじゃな。」
「はい。」
「そのいとこは今どこかね。」
「きっと応援席で保太を応援していると思いますよ。」
その言葉を聞くと、園長先生は、京子を追いかけたのと同じように全速力で走っていった。京子、雪子、冬森、北野も必死に園長先生を追いかけた。
園長先生が放送席に着くと副園長を押しのけて、マイクに口を近づけた。
「晴美さん、森口晴美さん。至急放送席にお越しください。」
しばらくすると、勝ち誇った顔で晴美がこっちに来た。
「どうしたのですか、園長先生。何か私にご用でもあるのですか。」
校長先生はきっぱり言った。
「雪子さんに強制退園を命じたのはあなたですね。」
しかし、晴美は何も動じなかった。
「証拠はありますか。」
晴美はまたまた勝ち誇った顔で言った。ドラマでよく見るシーンだ。園長先生も勝ち誇った顔で言った。
「証拠はないですけれど、証人はいます。西田京子さんです。」
「え………」
晴美の勝ち誇った顔は一瞬で消えた。園長先生が言った。
「京子さんが、あなたがやったと言ってくれました。もう一度聞きます。雪子さんに強制退園を命じたのはあなたですね。」
そして晴美はため息をつきながら言った。
「はい………」
すると園長先生は晴美を園長室へ連れて行った。園長先生は、雪子と冬森、北野もついて行くように命じた。雪子は、何回園長室へ行けばいいのだろう、と思った。
第12章へ続く。




