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10 アムリスからの夜這い

 で、一日を終えて、俺はベッドで寝ることになった。

 今は夜で、俺の部屋。

 電気も消している。


 今日起きたことは優勝候補と戦って、優勝候補になる。

 地位もLVも上がったが、嬉しいことはいまいち感じない。


 やはり、俺に不安はあった。

 嬉しいんだけど、どうしてもその不安が大きくってこんな感じだ。


 優勝候補になっても実感は湧かない。

 俺の中にあるのは、この地位が終わってしまうかという不安。

 狙ってくる奴はいるし、最悪、明日にでも俺は負けてということもあり得る。


 やはり眠れないな。

 なんかしようか?


 そう思っていると、突如、部屋のドアが開く。


 嘘だろ?

 誰かの奇襲か?

 もう、こんなところに追手が来たのか?


 俺はベッドから上半身を起こして、アイテムボックスを開く。

 そこで剣を取り出そうと思った。

 が、その行動を途中で止めることになる。


 ドアを開いたのはアムリスだった。

 その姿はいつもの制服でなく、パジャマ。

 ピンク色のワンピースの姿で、スカートの長さも膝より少し上くらい。


 見ているとサキュバスだったよなって思う。

 ちょっとやらしい感じだし。


「な、なんだ、アムリスか……どうかしたのか?」


 俺からの質問にアムリスは答えない。

 様子が変だ。

 まさか、アムリスを利用して、俺に何かを?

 酷いことをする奴がいるもんだ。


 それも違った。

 アムリスの目はうつろで、どこか寝ぼけているようだった。

 彼女が近づいてくれてね、俺からも確認できる範囲に。


 少なくとも、敵意を向けている様子はないみたい。

 あと、足もおぼついてないから、操られていないって分かる。

 操られているなら、もうすこしはっきり俺の前に向かわせるよ。


 まあ、安心したよ。

 敵襲ではないようだし。

 で、今のアムリスだが、俺の学習机に何故か向かっていた。

 何する気なんだよ。


 ほっとくとぶつかるだろうね。

 俺はベッドの上からでて、彼女の方へと向かう。


「危ないぞ、アムリス。後、俺の部屋だから戻った方がいいよ」


「照日……」


 忠告を聞いて、アムリスは言葉を返す。

 夜中だから母さんも起きてこないけど、こんなところ見たら、変な勘違いが起こるぞ。

 ちなみに彼女は今、父さんの部屋を一時借りているところ。


「さ、戻るぞ、俺が連れて行くから」


「えへへ……好き……」


 その後、アムリスは俺に顔を近づける。

 そしてキスをした。


 なんだか力も抜ける気がした。

 前回のキスではこんなことなかったはずなのに、なんか違うぞ。


 そんな不意打ちにアムリスは俺を押して移動する。

 唇は離しているけど、俺は抵抗できないでいた。


 これはこれでやばいんだよ。

 でも、彼女の顔が色っぽくて、妙に惹かれるものがあって……


 でも、流されちゃだめだ。

 なんかしなきゃだ。


 っと思っていたら、押し倒してきて、二人でベッドの上に倒れる。

 今の状態は向かい合っている状態で、アムリスが俺の上に倒れている。


 翼と尻尾も生えていた。

 尻尾さん、嬉しそうに降っているよ。


「な、何をするんだよ!」


「生命力すわせてくれるの……? じゃあ、たっぷり吸っちゃうからあ……」


 いや、そんなことは言ってないぞ。

 でもアムリスは遠慮なしに俺に顔を近づける。


 逃げるなり、押し返すなりの抵抗? 実は出来るんだ。

 でも、体が動かなくて、変な感情も渦巻いている。


 これヤバイ奴だ。


 俺は流されてしまい、キスを許してしまう。

 するとだ。


 俺とアムリスの体を赤味がかったオーラが包む。

 俺の口から力が抜けて、彼女に奪われる。


 これって、吸っているのは生命力とか、エナジーとかか?

 ほっとくとヤバイ奴だよね。


 でも、悲しいかな。

 やばいと分かっているのに、俺は成すがまま。

 むしろ、変な感情が高まっていて、快感まで俺の中にある。


 せめて、言葉でも抵抗はしなきゃ。

 そのためには顔を離さなきゃと、アムリスの顔に手を伸ばす。


「離れてくれよ……」


「私のこと好きでしょ? 下半身も求めているくせにい……にげちゃ駄目ー」


 ほ、本当に許してくれよ、アムリスさん。

 彼女は俺と共に横へと半回転。

 位置は俺が上である。


 でも、彼女は俺の首の後ろに両腕を回していて、翼は俺の背を覆う。

 そんでもって、足は俺の腰の後ろにがっちり絡めて、尻尾まで片足に絡ませていた。


 もう駄目だ、逃げられない。


 アムリスは俺の顔を引っ張ってキスをする。

 そして、足の締め付けも強くして、腰と腰の密着も高めている。


 ああ、生命力が吸われている。

 しかも、さっきより吸う量が多い。

 口からもだが、腰からも流れている気もするし。


 というよりも、密着している体の部分から絞るように吸っている感じだ。

 でも、腰から吸う量も口と同じくらい多いかもしれない。


 やばい状態なんだ。

 でも、このままでいいかと思っている自分もいるんだよ。

 悲しいな。


 俺は抵抗する気もなかった。

 あったとしても力は今日初めてキスされるより抜けている感じだ。

 もう無理っぽい。


 しばらくアムリスに吸われるままでいた。

 アムリスさんはご満悦の表情。


「……」


「ん……ごちそうさまあ。照日の生命力、気に入っちゃったから、また吸いに来るよ。期待してねえ」


 何も言えない中、アムリスは寝ぼけながら感想を語る。

 生命力の吸収も終わったようだ。

 赤味がかったオーラも消えていて、助かった。


 満足したら、戻ってね。

 とおもったら、そんなことはなかったよ。

 俺に絡みつきながら、彼女はそのまま寝てしまった。


 その寝顔は安心の顔を浮かべていた。

 寝た割には締め付けがいまだに強くて抜け出せない。

 俺の力が弱まっているからなのかな。

 手も動かせない感じだ。


 吸いっぷり凄いね、アムリス。

 もうしょうがないから、このまま寝るしかない。

 寝れば回復すると信じて。


 俺は再び、彼女の顔を見る。

 その顔は心の底から安心しているようだ。


 そうだな、俺は負けられないな、アムリスのためにも。

 負けたら彼女の追う真相もきっと追えないままだろうし。

 そのためにも


「俺は負けられない……これからも強くあって、勝っていかないと」


 俺は決意を固めた。




 その後のアムリスはどうなったか?

 俺の方が先に起きたし、顔に触れて起こしたよ。

 密着を解くにもいまだに強く絡んでいたんだから、こうした。

 力は戻っていたけど、こっちの方がアムリスの身にも優しいからね。


 アムリスの顔はめちゃくちゃ慌てていた。

 でも、まんざらでもなかったよ。

 もしかして、あの寝ぼけてたのって演技じゃないよな?


 吸われた俺の感想はどうかって?

 それは、保留とさせてもらう。

物語が続けば、こういう話も増えると思います。


それと、読んで頂き、ブックマークや評価して頂き、ありがとうございます。

更にブックマークや評価、感想やレビューがあると続いたり、こういった話も増えるかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 穢れた大人としてはこの手の話はノクターンに疎開して書いて欲しい。ヒロインのサキュバス設定を活かせるのはノクターンの十八番だから
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