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エピローグ3

 ゼルティアからの攻撃が始まる。

 俺はそれを身構えた瞬間に彼は瞬時に消える。


「ど、何処へ……?」


 俺は探ろうとする。

 臭いもその場から消えた上に、何処へ行ったかも検討が付かない。

 しかしそれはすぐに分かった。


「親切にも先ほどと同じさ、背後に来た」


 その言葉と共にゼルティアは剣を振るう。


「がっ……ぐ……」


 その攻撃を俺はまともに受けてしまう。

 急に背後からの攻撃では避けることもできない。


(ごめん、照日……指示する前に来られるんじゃ……)


 アムリスからの申し訳ない声が俺の中に響く。

 こんな間髪もない強襲はアムリスが分かっていたとしても防げない。


「いいんだ、これはどうしようもない」


(その、打開策が出せそうなら、その時はすぐ出すから)


「ああ、頼む」


 俺はすぐに立ち上がる。

 それにこれくらいの傷なら自然治癒もあって問題もない。

 打開策を立ち向かっている間に練れば可能性はある。


 ふとゼルティアの周囲に円盤がいくつも囲む。

 ヴェルナの円盤だ。


「私も忘れるな、ゼルティアよ!」


「ああ、忘れていないさ、ヴェルナよ」


 ヴェルナの数多くの円盤が光るも、それすらもゼルティアはかわす。


「これでもか……」


「そういう訳だ、別に忘れていないわけでもない。ただ相手にする必要がないだけの事」


 瞬時にゼルティアがヴェルナの真正面に回ると黒い影が背後から伸びて、円盤となった彼女を覆う。

 何が起きるかは分からないが、ろくなことではない。

 俺は結晶をゼルティアへと伸ばした。

 その攻撃を気付いてないのか、分からないがゼルティアは振り向くことさえない。


「あぐ……」


「でもヴェルナよ。そこまで痛い目に逢いたいなら、こうしてあげよう」


 俺の結晶が届く前にゼルティアは両手を叩く。

 するとヴェルナを包む影が10CMも満たない大きさに圧縮されて、同時に俺の伸ばした結晶も別の黒い影が弾く。

 圧縮された後に影は包んだ直後の大きさに戻り、ヴェルナを開放する。

 その人間時の状態へと戻っていた。


「うぁ……」


「さて、これで邪魔が入らないな、天川照日君」


 ゼルティアは俺へと向き直す。


「くっ……どうすれば?」


 俺は苦境の上に立たされていた。

 仲間を呼んでも、すぐにヴェルナと同じ目に逢う。

 更には今は打開策もない。

 それでとった手段はこれだ。


 俺は暗黒操作化を念じて、影の手を四つ伸ばす。

 これを選んだ理由は柔軟性も高く、出来ることも多いため。

 だが、これで打開の手がかりがつかめるかは分からない。


「ほう、暗黒操作化と見受けられる。実は私も同じスキルを持っていてね。ヴェルナもこれで倒したのだ」


 対してゼルティアは背後から影を伸ばす。

 おそらく俺と同じ暗黒操作化。

 だが、その大きさは俺のよりも何倍も大きく、影は5Mほどの龍の大きさをかたどる。

 それを俺へと伸ばして、俺の影を弾いた。


「だったら、俺は! 水魔法、フロストビーム」


 俺は結晶の刃にフロストビームをまとわせて向かってくる影の龍へと斬撃を当てる。

 同時に反射化もだ。

 壁の龍は凍結して分断された。

 さらには反射化の力も相まって、凍結した龍は二つになってゼルティアへと反射する。


「このスキルはダメか。でもだ、私の時間停止化のスキルはどうしようもないだろう?」


「ぐあっ!」


 瞬時にゼルティアが背後に回り込んで、俺へと斬撃を二回当てる。

 かわすすべもなく、俺は前向けに倒れてしまった。


 そこで、俺はダメもとで手元の床の一部を粘着化させる。

 何か突破の手掛かりを作れるかもしれないと希望を込めて。

 更にはまだ粘着化した空気をまとってもいなかったため、まとうことにする。


「ふむ、そうかマーガジオ。それでもいいと申すか」


 ふと、ゼルティアは俺でもヴェルナでもない相手に向けて言葉を出す。

 言葉からして魔王に向けてか。

 俺と同じようにもしや魔王が彼の中に入って話せる状態なのか。


「何をしているか分からないが、隙を見せていいのか!」


「かわせる余裕を隙とは言わないのだよ、天川照日君」


 瞬時にゼルティアは消える。

 また背後からの斬撃が来ると予測した。


「また後ろか! 何度も喰らう訳にはいかないんだ」


 俺は足での移動でなく、瞬時に浮遊で前に移動する。

 後ろを振り向くとゼルティアがいたのだ。

 こちらでの移動が少し速かったのか、何とかゼルティアの攻撃をかわしたことになる。


「流石に背後に回ることが何回も続けばこうなるか。でも、逃げられると思わない方がいい」


 ゼルティアは影を伸ばす。

 今度は13もの影の手だ。

 俺は影の方へと体を向けて、斬撃を当てる。

 影の手全てが氷結して、動きを止める。


「これで……うぐあっ!」


 しかし俺の回避は真下から伸びた自身の影にまとわりつかれてしまう。

 これで俺は身動きが取れない上に、包む影の力が予想以上に強く、剣まで落とした。


「これで動けないか。ならば私もいろいろとできそうだな」


 動けない俺の前にゼルティアが話ながら歩んでくる。

 身動きが取れないうえに、どんな攻撃が来てもおかしくない。


「くっ……! 何をしようっていうんだ?」


「殺せとかそんな言葉は言わないでほしいな。でも先に朗報を伝えようか」


「朗報か……ろくな事でもないんだろう?」


 朗報なんてゼルティアにとっての意味でしかないのは分かる。

 来るのは拷問の知らせか。

 物理的な痛みであれば自然治癒もあるのでどうにかなる。

 出来れば、何とか耐えられるものを願いたいところだ。


 そう思っていたが、知らせる言葉は予想外の物が来る。


「まあ聞いてくれ。マーガジオのことだが、なんとアムリスの封印も望んでいる。ついでに君の記憶そのものも」


 ゼルティアから出された言葉。

 それは想定してもいなかった言葉だった。

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