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超短編

死にたくない

作者: ミーケん

死にたいなんてだれも思ってないよ。

 ミサイル。

 この国を攻撃するために隣国はそれを撃つんだそうだ。

 情報元はわからないよ?

 だってただの噂だもん。

 こんなただの噂に人々は右往左往してるけど。。。

 まぁ、ミサイルなんて来ないんじゃないかなと思ってるよ。

 だってこれまでいろいろなことがデマとして自然にこのネットの海に消えていったんだよ?

 思い付く?

 うん。たぶん思い出すこともできないだろうね。

 だったら今回もそんな感じだよ。この先1ヶ月か1年でみんな忘れちゃう程度の出来事だよ。

 みんなが物を買い占めた2000年問題だってただの昔のすこし変わったらイベントとしか思えないよ。

 それとおんなじ。

 ネットニュースでミサイルが飛ぶとか言っていてもどうせデマ。

 なんと言おうとデマなんだよ。

 まぁ、これで本当に明日ミサイルが来たら死ぬんだけどね。


 でも、よく考えてみてよ。

 いまさらなにができるの?

 ほら、どうにかしてみてよ。

 相手国を攻撃する?できるわけないよね。

 自分の身を守る?そんな施設あるの?

 逃げる?どこに逃げるの?


 ほら。もう、僕らには逃げ場なんてないんだよ。

 ミサイルが来ても僕は死ぬし、来なかったとしてもそのうち僕は寿命とか、病気とかで死ぬんだよ?

 つまりは死ぬのがすこし早まるだけなんだよ。

 ただ死ぬだけなんだよ。


 でも、僕はまだ死にたくない。

 死ねないんだよ。

 まだ生きたりない。

 いろんなことがしたい。

 恋人と一緒に歩いたり、友達と遊びに行ったり、くだらないことでみんなと笑いあったり。

 できなくなるのは嫌だ。


 あの子のことが僕は好きなのになにも言えてない。

 あのときのことを友達に謝ってない。

 これで人生が終わるなんてふざけてる。

 いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。


 まだ、死にたくない。

 

 






死にたくないよ。



ただ生きていたい。



隣には君が──。

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