デザートの魔法
哲は、悩んでいた。
ステーキを食べて肉の旨さは、堪能したが、何か物足りない感じがするのだ。
「分かった!デザートだ!」
思いついた様に、叫ぶ哲。
この世界では、砂糖の流通が安定し始めたのは、つい最近だ。
甘いものと言えば、パン生地に砂糖を入れて焼いた、スポンジモドキくらいである。
余りに味気ない、ってかもう砂糖の味しかしねぇよ。
そんな世界嫌だ、哲はデザートも大好きなのだ。
とりあえず早くデザートを食べたい哲は、アレを作る事にした。
では、作るとしよう。
まずは、砂糖とお水入れて、煮詰める。
茶色くなったらお湯をちょびっと入れるのだ。
そしてそれをカップの底に流し込んだら次!
さっきの鍋に牛乳砂糖を入れて煮立つ直前くらいまで火にかける。
その間に卵をといておこう!
んでさっきの牛乳をそこに投入!
バニラエッセンス入れると更にいいよね!
さっきのカップにそれを入れて、んでそれを蒸して完成!
特製プリンじゃ!
哲は、水魔法の上位魔法である氷魔法を使ってプリンを冷やした。
これは勝つる!完璧だ!
なめらかな口あたりと絶妙な甘さ、特製のカラメルソースも素晴らしい。
うまし、うまし。
「おい坊主、なんだそれ」
「んっ?これはプリンだ!お手軽、簡単、うまいの最強デザートさっ!リブロのおっちゃんも食べるか?」
「お、いいのか?じゃあありがたくいただくぜ」
リブロがプリンを口に運ぶ、そして食べた瞬間に驚いた様に目を見開く。
無言で食べ進める、ひたすら無言だ、食べ終わりやっと口を開いた。
「なんだ・・・これは・・・」
「リブロのおっちゃん、あんたなら分かってるはずだぜ?旨いもんに出会ったらどうしたらいいか」
「あぁ、そうだな。うまかった、ありがとう、これ以外に言葉なんていらねぇな」
「おう!」
2人で笑い合う、やはりデザートは、人を笑顔にする力があるのだろう。
「ウッヒョーーー!!!!キターーー!!!!こ れ は素晴らしい!もうね、私の事興奮させ過ぎて殺す気かと!何ですか?貴方達は、暗殺者ですか?公衆の面前で私を殺すためにそんなことしてるんですか?いいえ違いますね!愛!愛ですのね!?2人は愛し合っているのよ!ふぉぉおおおおお!俄然やる気が湧いてきたわ!今なら、描ける!今すぐ部屋に篭るわよ!」
哲とリブロは、完全に忘れていたラヴィの存在を、デザートの魔力。
それは食べてない人まで幸せにするのであろうか、いや何か違う気がする・・・
って言うか、お姫様が出てくるよりも、野郎二人の絵面の方が綺麗ってどういう事だよ・・・
こんな調子で、ハーレムなんて作れるのだろうか