恍惚と鈍感
寝入ってしまった彼女の寝顔を見つめていた私は、
計らずも最上階のエントランスで
酔った彼女を見つけた時のことを思い出してしまった。
床に倒れ伏した彼女のすぐわきには、
酒の飲み残しが入っているグラスが転がっていた。
顔を赤く染めていかにも酔っぱらった体で
だらしなくへにゃっと地に張り付いていたのを
見つけた私が介抱したんだっけ。
そっと抱き起したら目が覚めたらしい彼女は、
まだ酔いの覚めていない恍惚としたまなざしで
私をみて、一言。
『・・・大好きー』
と。
「―――――///!!」
思い出してしまって、顔が熱くなっているのが
自分でもわかる。
「レオンス・・覚えてないのかしら・・」
まあ、酔っていたのだから覚えていなくても当然だけれど。
でも、どうしてか覚えていてほしいと
心のどこかで願っている自分がいる。
彼女に触れないように、
その頬にかかった綺麗な黒い髪を指で寄せる。
彼女は、純粋なここの国の人ではなく、
生まれはこの国だけれど東洋のどこかの国の血が
混じっているらしい。
だから、髪の色がみんなと違う黒なんだ、と彼女自身に聞いたことがある。
黒い髪に、蒼い瞳。
外見だけをみると、確かに彼女はこの城では特異な存在だ。
いや、外見だけじゃない。
本業の剣の腕前も素晴らしい。
いつもはキリっとしていて格好いいのだけれど・・。
だらしなく力の抜けた、間抜けな寝顔で横になっている彼女に、
もう一度視線を向けてみる。
「レリアー・・・・んにゅぅ・・」
寝言で私の名前を呼ぶ。
いったい、どんな夢を見ているのだろう?
ただ、私は、普段の顔とは全く反対の今の彼女をみて、
いつもとの差がとても愛らしく、愛おしく感じていた。
まだこの話は途中なので、
時間が作れ次第かきます!(´・ω・`)