哀哭の武士
世界の真実とは何か
本当にそれはあるのだろうか
探す意味は存在するのか
その存在自体が確かな常用真理であるのか
彼はそれを見つけたいと願っていることを知らない
岩石や島のようなものが空中に普通に浮かんでいる異常。はじめ見たときは不可解に感じたが、森の雄大さと物理法則を無視した陽光の入りを見て「そうゆうトコ」と無理やり納得することにした。
歩いても歩いても、森森森で先が見えない。山の上は目指しているが、何やら草陰で動いているのを何回か見かけて気が気じゃない。一番驚いたのは巨大なネズミだ。腰ぐらいまでの大きさはある。そして何より卵を抱えて守っていたのが現実との違いをまじまじと見せつけられてる感じがしてイヤになった。
頂上らしい場所までは来たもののこれじゃ周りが見えないな..
そういうこともあり、大きな大きな木の上に、苦労して這いながらなんとか登った。木の枝を歩き、末端まで来たところで、ようやく景色が見えてきた。
「おぉ...」
広々と見える何にもいえないこの世界の美しさにうっとりする。目線が余るほど青緑で明るく透き通った青空と、それに見合う純白と少しの漆黒を持つ雲。すべてが潤って見える鮮やかなコントラストがある草原と森。そしてそれと一体化している、激しい流れが見える生態系。すべてが美しかった。
僕はそよ風の気持ちよさを感じながらしばらく前を見つめていた。
ガズァッ
そんな音、葉を分けてこちらに来る音が後ろから鳴った。すぐに立ち上がって後ろを見た。そこには一人の男がいた。少し貧乏くさい軽装の袴を着て、刀一本を腰に携えた侍のような男だった。
「えっと…どうも」
男は一言そういった。その言葉は驚いて咄嗟にそういったように聞こえた。現にそうだったらしいが。
2人は樹木の上に腰を下ろして身振り手振りをつけて話す。
「ここに来て初めて人に会った。結構嬉しく感じる」
「もしかしてさ、僕と同じだったりする?」
いっしょに顔を見合わせる。男が自分に近づいてきた。
「言っちゃいけないってこともないだろうから言うけど…、俺は今記憶が曖昧だ。でも、多分この世界にはいなかったはずだ。
ここまでは同じか?」
それを聞いて、すぐさま強く頷く。
「よし....それで、どうやってここに来たかは分からないが、いつの間にかここで目覚めたって感覚だった」
「だいたい一緒だ」
それからいくつか会話を交わした。そして、これまでどういう事があってここまで来たのかをお互いに確認した。その会話のさなか、男は1つの話題を切り出した。
「そういえば、名を名乗ってなかったな!俺の名前は…」
彼は言葉に詰まった。少しうなった後に、
「…ムラクニだ」
と答えた。自分も名乗ろうとしたが、ここで気づいた。名前が思い出せない。記憶が喪失したと言っても、ここまでなくなってるのか…。
「ダメだ…完全に思い出せない」
「じゃぁ、いっそ仮の名を考えてみたらどうだ?」
「それなら…」
一つ、突如として頭に浮かんだ。
「僕はヴィータ、 ノス・ヴィータ 」
「良い名だ」
その後両方は立ち上がり、木の肌に触れる。
合理的に考えて、ここで別れてまた一人になる理由はないので、一緒に行動することにした。
私は人よりも2つ飛びしたぐらいレベルの高い飽き性です。この作品、もしかしたら更新がものすごく遅くなるときがあるだろうし、終わらないこともあるかも知れません。現に2つの作品を連載しては、途中で投げ出して放置しています。しかしこの作品、今回の作品だけは私は強い意志を持ち、終わりを見据えた目で書けています。それを承知の上で、温かく見守って欲しいです。
次は一週間後に書けたら嬉しいです。二週間後まではセーフとさせてください。
高評価お願いします。ブックマークしていただけると幸いです。続読お願いします。




