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蓮と美羽編 第六章 再会

翌日。

熊が車を運転し、蓮を人間ペット保護施設へと連れて行った。

どうして熊が車を運転しているのだろうという疑問が考えられないくらいに、

車内は重苦しい沈黙に包まれ、蓮は窓の外を見つめながら、心の奥でただ一つの願いを繰り返していた。

――どうか、美羽がまだ人間でありますように。

施設に到着すると、鉄柵に囲まれた敷地の中から人間ペットたちの声が響いてきた。

案内に出てきた職員が、淡々と説明を始める。

「ここで保護された人間ペットは、犬や猫と違って殺処分されることはありません。

ただ、人間が人間ペットを飼うことは許されていないため、新たな飼い主

――熊が現れるまでは、この施設で飼育されることになります。」

その言葉は、蓮の胸に重く突き刺さった。

美羽はもう「人間」としてではなく、「飼育される存在」として扱われるのだ。

職員の案内で進んだ先に、変わり果てた美羽の姿があった。

餌皿の前で四つん這いになり、他の人間ペットと同じように餌を口にしている。

かつて未来を誓い合った彼女の面影はそこにはなく、蓮は絶句した。

熊もまた、その光景を見つめていた。

彼は人間だった頃の美羽と蓮の関係を知っていた。

だからこそ、その変わり果てた姿に胸を締め付けられるような哀しみを覚え、静かに顔を伏せた。

鉄柵の前で立ち尽くす蓮の胸には、言葉にならない痛みだけが広がっていた。

施設で美羽の姿を見た熊は、職員に向かって静かに告げた。

「……その子は、家で引き取ります」

こうして美羽は熊の手によって施設から連れ出され、蓮と共に家へ戻った。

夜、熊は蓮を呼び寄せ、重い表情で語り始めた。

「私の命ももう残り少ない。蓮、君は彼女と共に逃げなさい。

君が彼女を人間に戻すんだ。何年かかっても、きっと君なら彼女を元に戻すことができる」

そう言って熊は、貯金の入った通帳を蓮に手渡した。

「ただ……君の両親は一緒にはいけないだろう……すまない」

蓮は深く頭を下げ、熊に礼を述べた。

そして美羽に服を着せ、二人は町を後にした。

夜の闇の中、蓮の胸には新たな決意が芽生えていた。

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