蓮の美羽編 第二章 約束
時は流れ高校生になった二人、屋上の風が二人の髪を揺らす。
昼休みのざわめきは遠く、ここだけが静かな世界だった。
二人は並んで弁当を広げ、静かに昼食をとっていた。
「蓮は学校卒業したら、どうするの?」
美羽が問いかける。
蓮は箸を止め、少し照れくさそうに笑った。
「……バイト先のスーパーの店長がいい人でさ、人間ペットの子供の俺を偏見の目で見ないで、
普通に接してくれるんだ。だから進学はせずに、そこで働きたいって思ってる。」
美羽は頷き、柔らかく微笑んだ。
蓮はしばらく黙り込み、顔を赤らめながら口を開いた。
「……あのさ、美羽…学校卒業したら、ずっと隣にいてほしい。結婚しよう。」
美羽は驚いたように目を見開き、すぐに頬を染めて笑った。
「うん、いいよ。三人で頑張っていこう。」
「三人……って、まさか!」
蓮が思わず声を上げると、美羽はさらに顔を赤らめ、視線を逸らした。
「……赤ちゃんがいるの。蓮との子。」
蓮は言葉を失い、次の瞬間、美羽を強く抱き寄せた。
「……ありがとう。俺、絶対守るから。」
二人の間に芽生えた新しい命は、未来への希望そのものだった。
――人間ペットの子供として、これまで偏見の目にさらされ、
数えきれないほどの辛い日々を過ごしてきた。
それでも二人一緒なら、この先どんな困難も乗り越えていける
――この時の二人はそう信じていた。




