表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

エピローグ

「総評を述べる!戦闘職種総員108名、事故28名、事故の内訳、矢傷21名・・・疾病7名、その他80名異常なし。

 首に矢を受けた者一名!布鎧、改良の余地があり。ポーションにより治癒

 指揮官による単騎突撃は厳に注意を要するものである。

 第一次王都会戦で4000名の敵を逃がした。突破力が不足であると露呈した。戦闘車両の開発が急がれる。

 尚、釣り野伏せは、友好勢力と共に行えば、有効であると判明した。故に、戦術の一つとして採用するべきである・・・」



 ・・・異世界文庫によると、古代ローマ帝国を寛容だと主張する人もいると言うが、

 民族をフルボッコしてから、奴隷スタートで移民受け入れだ。

 現代に適用不可能とみるべき。

 かといって、スパルタのような国作りは失敗する。


「う~む」

「ナツ様、長老会議の総評です。真面目に、聞かれませんと・・」


 曾お婆さまがお亡くなりになられ、遺体をイセ本国に運んだら、その時、残存車両は、全て稼働停止した。

 まるで、曾お婆さまに殉死したかのように、


 始祖様と共に来られた高機動車を一緒に埋葬、車両葬と相成った。

 他の車両は、研究班に下げ渡される。

 特に、メータの解明をするそうだ。近いうちに戦闘車両が完成するだろう。


「・・・・ゴホン!で、あるからして、王都突入が出来なかったことは、人員不足によるものである。

 これは、構造的な問題である。

 しかし、建国以来の初めての外征の成功は喜ばしいことである。

 よって、以上のことより。

 総評!「良好」とする!」



【敬礼!直れ!】

「次は、ナツ様なのです。報償をお願いします」

「分かったわ」


「報償!賞詞!田辺1佐、2科長として、各諸候を調略した功績、前へ」

「はい、田辺1佐前へ!」


 ・・・


「・・・最後、予備自3等陸曹、フリッパー、陸曹教育課程に入校の権利を与える!試験があるから、勉学に励まれよ。この課程が終了したら、予備自がとれて晴れて三等陸曹だ。自衛隊の入隊が許可される」


「「「「オオオオオーーーーーー」」」


 驚嘆が上がる。

 何故なら、今までは、佐々木とその仲間、日系36人の家系しか入隊をしてこなかったからだ。

 法で決めていないが、慣習として存在していたので、長老会議に掛ける必要もない。


「ヒィ、何でだ!オラ、ただ、付き従っただけだ!小麦村のリリーたちについて行っただけだ!」


「よお。フリッパー、断らないよな。俺たちが勉強を教えてやるぜ!」

「アビコ小隊長!」


「キャア、フリッパーの兄ちゃん好き!好き!結婚して」

「ヒィ、リリー、何言っているだ!」

「イセ族の戦士と結婚するために、外征に行ったんだからねっ。この際、フリッパーでいいんだからねっ!」

「何だ。その言い草と話し方は?!」

「ヒヒヒ、一生懸命練習したツンデレだ。愛娘のリリーだ。断らないよな」


 フリッパーは家に戻って父母に相談するが、


「外に職があるのなら、弟に畑をつがせてあげなさい」

「分かるだろ?奉公人になる権利がお前にあるんだ」

「ヒィ、もう、入校の権利でなくて、義務になっているだ!」


 制限付きながらも、テラコヤ履修、予備自士長を三年勤め。年に七日の訓練に真面目に参加、良好な勤務態度などの条件で、この世界の住人の希望者を、自衛隊に採用する事が決まった。



 ・・・フフフフ、予言の書では、異世界転移は、移民であるとも書かれている。

 リベラル思想に基づく移民は、移民の失敗を見たければ、ベルリンを見ろと言われるくらいの惨状だ。


 しかし、我らの真似る移民は、日本移民、最も穏健なマイノリティーとして、世界で定着している。

 彼らは、移民した先の国の悪口は言わない。

 だから、受け入れられてきた。


 彼らは、地域に交わるが、伝統も保持する。

 日本家庭で育てられた白人は、本国の日本人以上に、日本人らしかったという。


 これで、行く。

 少しずつ。大きくなっていこう。あれ、フリッパー?


「ヒャハハハ、フリッパー、リリーに腕を捕まれているわ」

「・・・ナツ様も他人事ではないのです!これから、カール王子とお茶会です」


「ええ、・・・ザルツ帝国の第五王子だっけ?」

「連絡員扱い。大使も兼ねていますから風邪で寝込むはダメです。もう、月に3回風邪で断っていることになるのです!」

「女の子の日は?」

「ナツ様、それを私に言えと?」


 お茶会は、お姉様を思い出す。

 あの騙し打ちをされた事件だ。


 ナツは武装して、お茶会に行ったが、


「ナツ殿!最高です。その布鎧、かっこいいです!」

「ええ、何故、好評!?」



 数年後、旧辺境伯領を中心に、イセ国が誕生した。

 王を奉戴しない国として、注目を集める。


 旧ロンバル王国の諸候に対しては、

 連邦制に当てはめ。寛容な支配が続いたと云う。


 しかし、イセ国首都近辺の村々は、魔獣退治による自己防衛体制により。

 奇しくも、中世の日本人化していたことに気がつくのは、もう少し先である。






最後までお読みいただき有り難うございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ