プロローグ
魔王軍の進撃は止まっていた。
ここは、人族の大穀倉地帯の手前、人族の防衛線は、度重なる攻撃により薄くなっていたハズであった。
しかし、奇っ怪な六角形の陣地だけは抜けない。
爆裂魔法、鉄のつぶてで戦死者の山を築いていた。
苛立つ魔王に、凶報がもたらせる。
「魔王陛下!こちらに向かって来る者がいます!」
「ええい。勇者か?勇者パーティは討ち取ったダロ!」
「それが、鉄で覆われた地竜に乗っています。止まりません」
「ええい。あれを出セ!」
魔王軍も馬鹿ではない。穀倉地帯を占拠して、人族を奴隷にする目論見だ。
なるべく、最終的な決戦兵器の使用は控えていた。
戦略目的地を、決戦兵器で汚染したら、意味がない。
「ポイズンドラゴン出撃!
あの地竜に向かってブレスを吐け!」
「ギャア!!」
魔族兵は、ポイズンドラゴンを見ると撤退を開始する。
ポイズンドラゴンは毒蛇のような毒々しい見た目の色をしている。
出たら逃げろが決まりになっていた。
ドラゴンは飛び立ち。数十メートル飛び上がったところで、鉄の地竜に向かって、毒のプレスを吐いた。
紫の色だ。
確かに、地竜にかかっていたが、
地竜の背中に乗っている者が、大筒から何かを放つ。
バン!キィイイイイイイ
音速を超える音とともに、火を噴出する何かがポイズンドラゴンに、向かって来る。
バン!!花火のように、ポイズンドラゴンの血肉は空中で四散し、
今度は、先頭を走っている地竜から、南方に住むというゾウの鼻のような長い筒が、魔王軍の本陣に向かって火を吐く。
ドガ~~~~~ン!
魔王軍の陣地は土煙をあげ。
爆散した。
鉄の地竜の中から声が聞こえる。
「・・・降車した後、戦車の四周を警戒!降車よう~~~い!降車!」
ザザザッ
奇妙なことに鉄竜の尻があく。そこから、異様な兵士が降りてきた。
魔王は、薄れいく意識の中で、なぜ、毒が効かないのか。奴らは何者なのか。
見ることになる。
「・・悪魔か?人族は、勇者ではなく、悪魔を召喚したのか?馬鹿な・・・」
彼らは深緑の服やまだら模様の服を着ている。そして、奇妙な面をしている。
顔は目くらいしか確認できない。
それで、毒を防いでいただと、
防護服、戦闘防護服、防護マスクである。
「・・・そうか。勇者パーティをポイズンドラゴンで屠ったから、対策してきたのか?悪魔の将ヨ」
「貴殿が魔王か?・・・」
「聞け。魔族領で、瘴気の湧く沼がある。そこから、魔獣が湧いてくるのだ・・・年々、魔族領では食べ物がとれなくなった。だから、悠長に、勇者と一騎打ちする余裕はなくなったのだ・・・。撤退するから、眷属の助命を願う・・・」
「当職は、その決断をする立場にないのですが、伝えましょう」
「ウウウウウウ、今から、我は絶命と引き換えに、撤退の発光信号を発する。頼む!」
「分かりました・・」
「皆!警戒員以外は整列!【気をつけ!】魔王に対して、【敬礼!】」
ザザザザッ
「フッ」
魔王は、微笑みながら、巨大な光の柱となった。
魔王は、自爆魔法をすることも可能であった。
(どこか、甘い奴らよ。しかし、嫌いではない)
「まさに、鬼神に恥じない勇気をお持ちだ。魔族兵は剽悍決死の士であった!」
(ああ、救われる)
魔王は、意識を失った。
また、異形の兵士たちも、【直れ!】
の号令の元、作業に移る。
「本部!こちら、打撃部隊1,魔王を討ち取りました。あの巨大な光は、魔王軍撤退の合図だそうですが、引き続き警戒します・・・あ、符号忘れていました。4!」
彼らは異世界に転移した自衛隊であった。
それから、条約により。魔獣が湧く地の近くに、人族の国が出来た。
ロンバル王国、開拓団の団長の家名を冠する王国の名である。
そして、65年経過した。