勇者VS魔王、再び
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ぐぬぬぬぬ……
まだ信じてもらえないのかよ。
ルリオ、お前まじで面倒くさいな。しつこいって。いや、もうしつこいとかレベルしゃない、めちゃくちゃだよ。
「ウォスッ! お前が本当にウォスってことは分かったから! 本当に何も知らないのかよッ!?」
ヤバイな…
俺はルリオの家に呼ばれ、応接室にて質問責めという名の地獄にいる。
こいつ、本当に粘り強いってレベルじゃないぞ?
こりゃ病気だな。俺がウォス(嘘)だってことはなんとか信じてくれたんだが、まだ俺とリオルクシの関係を疑ってやがる。
あれから三時間。
ずっとこれだ。
ラアとの関係も晴れた。メイピスについても晴れた。でも、俺と俺の関係についてはどうしても晴れない。
「だっかっら!!! まじで、俺はわからないんだってッ!!!」
「ぐぬぬ…絶対に何か秘密にしていることがあるだろ?」
「ないったらない!」
もうこれは戦闘だな。さっきから同じような攻防が繰り広げられている。おれは防御、反撃、防御、反撃といった感じで、かなり不利な状態だ。
言葉と言葉をぶつけ合い、戦う。
そもそも、こいつ本当に物わかりが悪い。
正直言って馬鹿だ。
「俺もそろそろ帰りたいんだが? リュミリーが心配して待ってんだよ!」
知らないけど。とりあえずリュミリーを口実にさせてもらう。
「そんなの俺にとっちゃどーでもいい! 答えろッ!!! そしたら帰してやるから!」
駄目だったか。ルリオの裏の顔ってやつか。これ?
ほんと、早く帰りたい。戦争終わってからギルドに泊まり、さて帰ろうって時にコイツが来て、閉じ込められて。
お前は家に帰れても俺は帰ってないんだけど!?
もう適当なこと言って逃げようかな。そう思った時だった。
「はぁ……。もしかして、お前魔王リオルクシの生まれ変わりとか?」
突然、ルリオがそんなことを問うてきた。
これは痛いところを突かれたな。今の俺にとっては致命的な大ダメージだ。
ただし、これもどうにか誤魔化してみせる!
「そんなわけないだろ、俺だってそんな自覚がないんだし」
「……そう、だな」
お、珍しく理解してくれたか?
今がチャンスっぽいな。適当なことを言って逃げるぞ!
「うーん、もしかしたら───」
◆
やっぱり俺、天ッ才。
あの後、少し出鱈目かもしれないが、俺は魔王リオルクシと顔が似てるからメイピスに勘違いされたんじゃないか説をルリオに話し、馬鹿なあいつはまんまと騙され俺を逃がしてくれた。
うーーん、久しぶりのシャバの空気はうまいなぁ。
さて、家に帰ってリュミリーの癒しを貰いに行こうかー。御褒美御褒美~!
そして俺はランラン気分で家へと一直線。
帰ったら何しようかな、楽しみだなぁと思いながら。
しかし、家に帰った俺は一人だった。
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