【意味怖恐】地元の駄菓子屋
俺が子供の頃から続いていた駄菓子屋に張り紙がしてあった。
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2023年5月20日閉店します。
45年間という永い間地元の皆様には本当にお世話になりました。
皆様に末永き幸せが訪れる事をお祈りいたします。
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とても悲しい。
本当に昔からこの駄菓子屋には世話になっていた。
特にここのおばあちゃんはとても優しく
100円を握りしめて100円の物を買おうとしたとき
消費税分をオマケしてくれたり、何か買うとオマケで
飴ちゃんをくれたりした。毎週通っていた。
大人になってからこの駄菓子屋にいく事は殆どなかったが
たまに、おばあちゃんの顔が見たくなって、ふと引き戸を
ガラガラと引くことはあった。
思い出の場所がなくなっていく。
胸に小さな穴が空いたような気分だった。
(休みを取っていくことにしよう)
5月20日、お店でとても懐かしい顔を見ることができた。
「おばあちゃん・・・来たよ」
「あらまぁ、元気そうね。今までありがとうね。
最後に顔を見られてよかった。」
「俺も・・・」
100円玉で買い物をすると、おばあちゃんは
飴を握らせてくれた。
「オマケだよ。」
「ありがとう、おばあちゃんも元気でね」
おばあちゃんは、とびきりの笑顔で見送ってくれた。
・・・そういえば、また消費税もオマケしてもらっちゃったな。
おばあちゃん、元気で。
翌日、母におばあちゃんに最後の挨拶をしてきた事を話すと
母はとても怪訝な顔をしていた。




