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【意味怖】悪魔の契約3

ピンポーン!



「ん…何かしら」



「こんにちは、悪魔生命です」



「間に合ってます」



バタン。



「全く、最近少なくなったと思ったのに、たまに来るのよね、訪問営業」



ピンポーン!



「はい」



「悪魔生命・・・」



「間に合ってますって、警察よびま・・・」



「この家もか、最近は皆ガードが固くて困ります!

あの、何か願いはありませんか!?なんでも叶えますから!!」



「はぁ?じゃあ100万円ください」



「ハイ、どうぞ」



男は、100万円を懐から私に差し出す。



「え・・・。ちょっと冗談でしょ」



「冗談ではありません。私は一つ願いを叶えると言いました。貴方はそれに答えた。私は願いを叶えた。それだけです」



「ちょっと話位なら聞くわよ」



「ありがとうございます、先ほどの」



聞けば、この人間は本当は悪魔で

人間との契約を取らなければいけないんだが

最近は皆疑り深く、契約が取れずに上司にどやされているとか。



「私は6回願いを叶える度に、人間の魂を抜いています。ちなみに、先ほどの1回はデモンストレーションですが、叶えた願いに入ってしまいますのでお気を付けくださいね。ちなみに・・・私を消滅させて魂を抜くのを防ぐとかそういうチート的なものはダメですよ。ハハ。」



「それでは、契約です。貴方の願いを叶えさせてください」



「最後の1回を叶えなければ魂を抜かれることは無いって事で良い?」



「もちろんです」



(さっきのデモンストレーションの100万円で1回、後4回も願いが叶えられるじゃない。これは最高ね。この男が本物の悪魔なら・・・だけど)



「契約するわ」



「ありがとうございます。

お隣の家の方は何をやっても契約に至らずに困っておりました」




そのとたん、その男の尻から黒々しい尻尾が伸びてきた。



「キャア!ば・・・化け物・・・!!!」



「化け物なんて失礼な・・・。それでは・・・!」



男は煙のように消えていった。



「ほ・・・本物だった・・・」



どんな願いを叶えようか。

後4個とは言っても、いつどんな願いが必要になるか分からない。

とりあえず3個叶えて、残り1個はとっておこうかしら。



①抽象的な願いは怖いから銀行口座にクリーンなお金を1兆円入れてもらう


②芸能人のタケルと結婚する


③死ぬまで健康でいられる体



この三つを叶えてもらった。


こういう時に欲張って変な事を頼むとろくな事にならないっていうのは知ってる。



こうして私は願いを叶えてもらって半年。

銀行残高の1兆円を使って豪邸を建て、芸能人のタケルと結婚し、幸せな生活を送っている。



しかし、このところ旦那のダケルの様子がおかしい。



「なぁ、ちょっとこっち来いよ」


「どうしたの?」



タケルの部屋に行くと突然タケルに首を絞められた。

その部屋には、タケル以外に柄の悪そうな人間が沢山いる。



「天国へ連れてってやるよ。俺にとってはこれからの生活が天国だけどな」



「タケル・・・やめて、何を・・・」



「気が付いたらお前と結婚していた。何故だから解らなかったが、お前がこんな資産家だったとはな。俺の天性の嗅覚が、カモを見抜いたのかもしれないなぁ」



「悪魔、この部屋にいる私以外のやつらをみんな消して!!」



「かしこまりました」



目の前に現れた悪魔は、タケルと柄の悪い男たちを皆煙のように蒸発させてしまった。



「あ、ありがとう。これで叶えてもらった願いは5個。あと一つは何もお願いしないように気をつけないと」



「いえ、私は6個願いを叶えましたよ」



「えっ!?」



「あぁ、すみませんでした。

あの時はバタバタして、ちゃんと話をしていませんでしたっけ?

私は6回願いを叶える度に、人の魂を抜き取っているんです。

意味・・・解ります?」



そういうと、悪魔はニコニコしながら私の胸に手を当て

ぼうっと光る何かを口の中に入れて去っていった。

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