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【意味怖恐】泣いていた女の子

久々に田舎の村に帰ってきました。

あたり一面田んぼと一軒家しかないようなド田舎だけれど

私が生まれた故郷。私はこの村が大好き。

難点はバスでも使わないと家まで歩いて30分かかるって事。


しかし今日はあいにくの大雨。

隣には小さな女の子が悲しそうにたたずんでいます。


雨が降っている中、シクシクと泣いているのです。

胸の可愛いアップリケが濡れています。

涙のせいなのか、雨のせいなのか・・・


見ているてとても悲しくなったので

話をすると、最初は泣いてばかりいた女の子が

少しずつお話をしてくれました。


「一人なの?」


「うん・・・グスッ」


「ママを待っているの?」


「うん・・・グスッ」


「ママはどこにいるの?」


「いるけど、会いに来てくれない・・・グスッ」


・・・お仕事中なのかな・・・それとも複雑な家庭・・・なのかな。


「パパは?」


「遊んでくれる・・・。でもママに会いたいの・・・グスッ」


かわいそうに・・・。


夫婦で別居しているのかな。

話題を変えてあげなきゃ。


「あなたはこの村の子なの?」


「うん・・・グスッ」


この村は楽しい事が本当にないんだよなぁ・・・

そんな中、夫婦が喧嘩しているんじゃ、泣きたくなるのも分かる。

あ、そういえば、先月花火大会があったはず。

お父さんから写真送られてきたし、あれだけは誇れる最高のイベントなんだよなぁ。


「先月花火大会あったでしょ、楽しかった?」


「うん!あったよ!すっごくすっごく楽しかったよ!

 パパに連れてってもらったんだぁ。高い所から見ると綺麗なんだよ」


やっぱり、パパなんだ・・・。

ママとは離婚しちゃったのかな。

6歳・・・位かな・・・?


この年頃の女の子はママ大好きだからなぁ。

ママがいないと寂しいよね。


「それじゃあさ、バスが来るまで私がママをやってあげようか!」


「え、本当に!?嬉しい、お姉ちゃんありがとう~!」


女の子の目からこぼれる涙は止まり、輝くような笑顔で

喜んでくれいてる。


---ただ、目に光が---無い。


え、ちょっと待って・・・


そういえば・・・


「ねぇー、お姉ちゃん・・・このままじゃアソベナイネ」


私は、今まで出したことないスピードで、何もない田舎道を

村の方へ全速力で・・・

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