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【万引きGメン】いただきまーす。

【飛んだら命頂きます。利息はトイチ】

町の外れに物騒な張り紙がいくつも貼ってある小さなおもちゃ屋がある。

親切な大人がいくら剥がしに行っても、いつの間にか貼られている物騒な張り紙。



ここの店主は、昔は数学の天才だったらしいが、今や店の中でひたすらボソボソ数字を

つぶやくだけ。なんの数字かは分からない。

近いうち、本当に飛んでしまうんじゃないかと俺はにらんでいる。



こんな辺鄙へんぴな場所で、売り上げも上がらずに借金で苦しんでいるはず・・・。

の割には、揃えているおもちゃは最新の物で、そこそこお客さんも来ている様子。



うーん不思議な店だ・・・。

しかし、あのじーさんもうかなりボケているよな・・・。

昨日競馬で大負けしたし、今日はむしゃくしゃしている。

やっちまうか。



店内に入るが、いらっしゃいませの一言もなく、店主は・・・イチ・イチ・ハチ・スズキ・・・ナナ・ロク・ハチ・・

等とボソボソ数字を呟くじーさんがいるだけ。



お、ペレステーション5なんて置いてあるじゃねーか。

しかも、じーさんの死角だ。

かなりデカいがこれならいける、監視カメラも無さそうだ。



店主が数字を呟いている中、俺はそっと

ペレステ5を持つと、足早に自転車に乗せ、帰宅した。


ニ・シ・ロク・ゼロ・ヨン・ナナ・ハチ・・・

店主は気づいているのか気づいていないのか、出る瞬間も数字を呟くだけだった。



楽勝だったぜ・・・!



と、思ったのもつかの間、ペレステ5を売った金はすぐに底をついたため

その後、幾度いくども爺さんの店に行っては高いおもちゃを万引きしていった。


◇◇◇

半年位だろうか、いくらなんでもおかしいと思い始めた。

俺が万引きして稼いだ金はもう100万を超えている。

これに気づかないのもおかしいし、それで普通に運営しているあの店も異常だ。


大丈夫なのか、俺。

大丈夫なのか、あの爺さん。


ちょっと様子を見にお店の中に入ってみると

爺さんはいつも通りに数字を呟いている。

ニ・シ・ゴ・ハチ・ゴ・ニ・レイ・ニ・ゴ・・・


普段と変わらんな、状況は。



だが、あの店主が、じーっと俺の方を見ているのだけは分かった。



背中がゾクゾクし、何か、危険を感じたため

もうここには来ない方がいいと思った俺は、足早に店を離れると家に帰り鍵を締めた。

昔からこの手の嫌な予感は当たる。



その嫌な予感は4年後当たる事になる。



ニ・シ・ゴ・ハチ・ハチ・サン・ハチ・キュウ・ロク・ゴ・キュウ


ニ・シ・ゴ・ハチ・キュウ・ゴ・ロク・ニ・サン・ナナ・レイ



いただきま~す。


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