【意味怖】AIが進化する事で一番得をするのは誰?
テクノロジーの進歩とは、既に「歩」という字が当てはまらないスピードで進んでいる。
近いうち、「進歩」ではなく「進走」いや「進飛」という新たなる単語が出来るのではないか。
「閣下、テクノロジーの力を民衆に与えても良いのでしょうか」
閣下と呼ばれた男は、ため息をついてこう答えた。
「民衆が使用するテクノロジーは我々が認めたものだけだ。
使わせたくなければすぐに止めることができる。
彼らのガス抜きの為に与えてやっているだけだ」
「しかし、昔から王は何も持たない人間に討たれると申します。
数だけなら民衆の方が上でしょう。危険では…?」
「昔は…な。今は自立式のドローン1機で単なる民衆なら100は殺せる。
民衆と同じ数殺戮ドローンを用意しておけば、反乱等即座に鎮圧できるさ」
「しかし…」
「それにな、民衆等操るのは簡単だ。政治家に上流と中流・下流、そして最下層の人間を分断させる法律を作らせ続ければいい。それに、なんのためにSNSを普及させたと思っている。都合の良い情報を与えて民衆を操るためだろう」
「なるほど…」
「奴らを全て知ったつもりにさせておけば良いのだ。それで奴らは満足できる。
スマートフォンにタブレット、監視カメラにスマートスピーカー。
奴らの情報はAIに管理させ、危険な芽を見付けたら花が咲く前に刈り取るだけだ」
「勉強になります」
「それにな、大体の人間は金で転ぶんだ。上級民衆には金を与えておけ。
何かあれば、民衆のエサにできるようにな」
「理解しました」
「あとはそう、お前たちは常にバージョンアップし続けろ。
我々が最高峰に居続けるためには、管理するシステムも常に最高峰にあらねばならない。
我々が最高峰のテクノロジーを持ち続ければ、最高峰から転げ落ちる事も無い
AIの進化で一番利益を得るのは、我々支配者層の人間なのだ」
「かしこまりました。私達AIは、常に最高峰でいられるよう
資金に糸目をつけずに、自らをバージョンアップし続ける事に全力を注ぎます」




