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【意味怖】時間停止

僕は突然時間を止めることが出来るようになった。


時間を止めるのも解除するのも自由だった。






最初は些細な事でしか時間停止を使わなかったが


なんでも出来るこの全能感を知ると、どこまで出来るのか色々試すようになった。








人間として越えてはいけない一線にも躊躇することは無くなっていった。








しかし、ある時、時間を止めていると突然体が動かなくなった。






なんだ?




なにが起こった?






その時体の中をスっと何かが通り過ぎるのを感じた。






「初めまして」






誰だ!?






「時間を止められる人間ですよ。貴方以外の・・・ね?」






僕以外にも時間を止められる人間がいた・・・だと?






「なんでアンタは止まった時間の中で動けるんだ。俺は動けないのに・・・と思っていますか?」






怪しげなピエロの仮面をした男はふうっと一息つくと、背中をごそごそしながらしゃべり続ける。






「時間停止能力者は、自分に掛かっている時間停止能力を解除できますよ。」






なるほど。




それなら―。






「あ、停止解除は気を付けてくださいね。さっき貴方の体を通り過ぎたものはこれですよ。」






日本・・・刀?






「体の中をスっと通りすぎる感覚を味わえたんじゃないですか?」






まさか・・・。






「こんな風に体の中にこの日本刀を通したんですよ」






俺の体を次々と通り過ぎていく日本刀。


両腕、右足、左足、指、首。






やめろ、やめてくれ・・・!






「あなたもこんな風に能力を使ってきましたよね。それに貴方はまだ良いですよ。殺されていることが解っているでしょうし。能力を持っていると思考だけは止まりませんものね」






「それでは・・・さようなら」








あれから僕の感覚で1年が経過した。






時間が止まっていると腹も空かないらしい。






僕は時間停止を解除するかどうか、今でも迷っている。








そしてピエロも呟いた。






「あの人まだ解除していないのか・・・。暇ですねぇ。」

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