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【意味怖】鈴木天使
最近のAIは凄い。
もう僕の嗜好はAIに全てばれている。
僕の好きなものはなんでも解るし、何を求めているかもすぐにわかってくれる。
僕以上に僕の事を知っているといっても過言ではないかもしれない。
今日は、そうだな。面白い本でも読みたいな。
「アレックサ、面白い本を紹介して」
「鈴木天使様、この本をどうぞ」
へぇー・・・この本も面白い。てか、本名で呼ぶな、そのキラキラネーム嫌いなんだよ。
しかし、この主人公災難だなぁ。
悲惨な事ばかり起こってる。ノンフィクションって本当かな?
こういう、他人の不幸を感じることで自分が幸せになるっていう僕の嗜好まで
読み取るなんて、本当にAIは凄い。
あれ・・・?
「アレックサ、なんで最後のページが無いの?」
「最後のページを書く前に作者が死んでしまうからです」
「最後まで悲惨だったんだね・・・って、死んでしまうってどういうこと」
「まだ世に出ていない本ですから」
えーと、今は2023年、この本の出版日は2025年ほんとだ。
ん・・・作者天使・・・って
ま、まさかね・・・。




