10話 依頼報告
セリシアに戻ってきた俺は、とりあえず地味に重い魔石を処理してしまおうとギルドに真っ先に向かった。
ギルドの中はいつものように、意外と治安がよく普通だ。酒場から騒がしい声が聞こえてくるが、それだけだ。
まあ、すべての町のギルドがこんなに静かなものかというと、全然そんなことはないらしい。
この町のギルドは、所謂本部というやつで、対策がされている。高ランクの冒険者が何人か常駐しており、問題が起これば彼らが出てくることを知っているので誰も暴れたりしないのだろう。
常設依頼の報告をするために、それ専用の受付がある列に並んだ。もう夕方が近づいているので、依頼帰りの冒険者が多く少し待つことになった。
「本日は、どのようなご用件ですか?」
やっと俺の番がまわってきた。ここの受付の人は綺麗な女の人ばかりだ。ギルドに男の職員がいないわけではないが、受付ではみない。綺麗な女の人に誉められた方が男性冒険者のやる気が上がるからとかなのかな。
「どうされました?」
そんなことを考えながら、受付の女性を見ていたら、やり過ぎていたようだ。不思議そうにこちらを見ている。
「いや、何でもない。依頼の報告に来た。
あと、依頼にはない魔石も買い取ってもらうことは出来るのか?」
「Dランク以上の魔物であれば、大丈夫ですよ。魔石の料金もお支払しますし、評価に繋がります。
確認しても構いませんか?」
そう言われたので森で倒した魔物の魔石をカウンターに出す。行き帰り合わせて、大体80個くらいになった。ゴブリンの雑木林ほどたくさん魔物がいるわけではなかったが、群れで出てくる魔物が多かったので結果的にたくさんの魔石を得ることが出来た。
「これは、フォレストウルフのものでしょうか。珍しいですね。」
「やっぱりこの辺には、普通いないものなのか。」
「隣町では珍しくないのですが、ここまで来るのはあまりありませんね。たまに、群れからはぐれた個体などが生息地から外れて現れて、新人の方が被害に会うのですが無事倒せたようで良かったです。
こちらが代金になります。ギルドカードの提示をお願いします。」
そこそこ強かったので、新人が倒したことをもう少し驚かれるかと思ったが、そんなことはなかった。少し寂しい。まだ、常識の範囲内みたいだ。疑われて信じてもらえないよりは、いいけど。
「おめでとうございます!
ランクアップの条件を満たしましたので、お帰りの前にあちらの受付に寄って下さいね。」
受付のお姉さんにお礼を言って、更新の受付に向かった。
ランクアップの手続きを終えて、ギルドを出た。宿に戻る前に食事を済まそうと思い、昨日見つけた飯屋へ向かう。安くてうまいので重宝している。
だが、この世界の食文化には前の世界の影響が伺える。神様は、定期的に人を送っているといっていたが、その内の誰かが広めたのかな。おいしい食事ができてありがたい。
愛用している店に着くと、今日は豚カツ定食みたいなのを頼み料理がくるまでの間、さっきもらった新しいギルドカードを眺める。
E-5と書かれたそのカードは、初めてもらった木製のFランクカードとは違って、鉄製だ。デザインも少しこっていて、格好いいものとなっている。
一気にランクが上がったのは、大量のEランクの魔物とDランクの魔物をソロで倒したのが、驚かれはしなかったが予想以上に評価されたようだ。
Eランクと言っても、まだまだ駆け出し冒険者なので、ランクが上がりやすい。ランクによって大きな差が出きるのは、Cランクからだ。そこから先は、才能のある人しか進めない。
当面の目標はそこに上がることだ。
まだ、料理が来なさそうなので、今のうちにフォレストウルフを倒したときに上がったレベル分のポイントを使っておく。
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名:蓮池史也
レベル:4
スキルポイント:0
ユニークポイント:0
メンタルポイント:0
スキル
パッシブ
陣魔法補助 LE:1
終焉属性補助 LE:1
槍術補助 LE:11
両手装備補助 LE:6
身体能力強化 LE:31
生命・魔力自然回復強化 LE:31
魔力操作補助 LE:20
生命・魔力増強 LE:20
バースト補助 LE:10 (new)
アクティブ
-
アクション
陣魔法 LE:1
槍技 LE:5
ユニーク
バースト LE:11
メンタル
一般言語理解 LE:-
フォルテ LE:6
上限消失 LE:-
誓約《レベルアップ条件》 LE:-
属性《終焉》 LE:1
タレントスキル
転移者
フォルテ
無限廻廊
バーストフォーム
陣魔法適正
終焉属性適正
双槍士
超人
契約者
泉人
運命からの祝福
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何から上げるか悩んだが、使用面に難がある「バースト」を使い勝手を上げることにした。
「バースト補助」には、いくつか種類があったが、今一番の問題であるチャージ時間を解決できそうなものを新しく取得しておいた。
《ドレイン》は、敵に攻撃を当てると削った体力の一部をチャージに使えるというものだ。どれくらい奪えるのかは実際に使ってみないと分からないが、これで一応戦闘中にも再チャージが可能となった。
カブラ森林でも、敵に手応えがなくなってきたし、「誓約」のせいで少ない経験値ではレベルも上がらない。
明日以降の予定を考えながら、運ばれて来た夕食を食べた。




