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閑話2 イライラの功名

3年前の主人公の小話。

かなり短めです。

 


 最近、魔法開発が上手くいっていない。




 どうも、リリアです。13歳になりました。毎日魔法や魔道具の開発に励んでいます。


 前世を思い出して、1年ほどになる。あれから、16歳から始まる旅に向けて、準備を着々と進めている。今は主に魔法関連を中心に研究中。



 両親が残してくれたたくさんの本を読んで、それを改良したり、そこから発想を得たりしながら、旅に役立つ、そして生活に役立つ魔法や魔道具を作ろうと、日々頑張っているのだが…。




 ぜんっぜん!上手くいかない!




 私が今しているのは、冷蔵庫の製作である。


 こんなの、箱用意して魔法で冷気を満たせば一発!って思うでしょ?でも、そう簡単にはいかなかった。


 小さい箱ならいざ知らず、大きな箱全体に均等に冷気を満たすのは、意外と難しい。というか、それを保つのが難しい。あくまで魔道具として、魔石のみで動いてほしいし。



 魔石とは、魔物が心臓部に持つ魔力結晶で、魔道具において電池のような役割を果たす。しかも、自分で魔力を込めれば充電完了な優れもの。もちろん寿命はあるけどね。大掛かりなものほど、大きな魔石が複数必要になるし、魔石の大きさはずばり、魔物の強さと等しい。だから、冒険者が魔物を討伐して、魔石を売ってお金にする訳だ。




 まあ、それはおいといて。


 大きな箱全体に冷気を満たすのは案外難しいし、温度を一定に保つのもなかなか…。どうしても冷気が流れすぎて、いつのまにか中身が凍ってしまう。常温のものを入れたら、すぐに中の温度も上がっちゃうし。魔石では調整ができないのだ。


 それに、箱の外にまで冷気が漏れてしまう。箱自体が冷たくなって、まあクーラーがわりにはなるけど、困り物ではあるよね。放っておくと周りが凍りだすしさ。



 箱全体の温度を一定に保つ。冷気が逃げないようにする。魔道具でこれができるのか…。



「あー!もう、いや!疲れたー!」



 他のことをして気を紛らわそうとしても、いつのまにか冷蔵庫のことで頭がいっぱいで、じゃあさっさと解決しよう!としても、全く進まなくて、イライラが溜まっていく。



 剣でも振る?いや、イライラして剣壊しちゃいそうだな。


 甘いものでも食べる?いや、そんな気分じゃない。というか、暑いから冷たいものが食べたいけど、そんなことしてたら、冷蔵庫のこと考えちゃう。


 魔物でも倒す?いや、魔物の声って不快だから、余計イライラしそう。




 てか、さっきからうっとおしいな、この黒いの。スス?まっくろくろすけか何か?


 あー、もう…!



「どっか行けやー!」



 〔ウィンド〕!



 ぶわぁっっ!



 風魔法で黒いの吹き飛ばして、スッキリー!




 ふぅ。


 スッキリしたのはいいけど、部屋がめちゃくちゃになっちゃった。苦笑いで掃除を行う。そういえば、家の汚れは心を表す、とかなんかなかったっけ?掃除したらもっとスッキリしそう。




 てことで、掃除したら、すごくスッキリー!




 掃除の最中に、外にも黒いのが漂ってるのをみて、ちゃちゃっと風の魔道具を作って追い出した。黒いのを見つけたら、勝手に反応して吹き飛ばしてくれる仕組みになっている。




 ん?勝手に反応…?


 これ、冷蔵庫にも使えるんじゃ…?




 なんで思いつかなかったんだろう。いや、確かに自動調節とか温度センサーとかは難しいけど、中にある物に反応するのはありかも。物を冷やす。そして、物の温度を保つ。


 なんかいけそうな感じ!イライラもなくなったし、早速やるか!




 後日、魔法冷蔵庫が完成して、幸せ気分で空を飛んでいると、森がうっすら黒い霧に覆われていた。まさかあれが瘴気じゃ…!?なんて思いつつ、3年後、浄化魔法でフィオが払ってくれるまで、もっと魔法開発を頑張ろう!と心に決めた。



意外と(?)おバカな主人公。

以上、3年前の瘴気事件でした。

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