つい最近まで生きていた遠い親戚たち
彼らは、私たちの祖先から分岐し、自ら別世界へと進出していった。私たちの祖先がものすごいスピードで、知能をはっつさせていく様子に驚いたのだつまり、私たちの祖先が知能を発達させるまでは、彼らと共存していたのである。しかし彼らは、自らのの系統を分析されることを恐れ、やがて、遺体を火葬するようになる。そのため、彼らについては不明なことが多く、姿に関する写真は一枚も残っていない。しかし彼らは、数回だけ私たちの世界へやってきたことがあった。彼らは、私たちの世界の様子を視察しに来たのである。
・野蛮な国からはるばると・
彼の姿は非常に原始的だったため、身動きがとれぬよう、鎖で縛られ、そのうえ、鉄の箱に入れられ、悪質な保護施設へと送られた。その保護施設の職員だった私は、彼を引き取ることになった。そこで、保護施設との縁を切り、友人からお金をもらいながら、暮らすはめになった。
・言葉か?それともうなり声か?・
夜中、私は、噴水公園にテントを張り、野宿することにした。テントを張っている最中に、うなり声が聞こえた。彼にとっては話しているつもりらしい。しかし、うなり声で生活はできない。そこで、わたしは、彼に、日本語を教えるはめになった。勉強を始めると、一日で千三百語、一週間で千八百語、一ヶ月で二千五百語、一年で二万七千語も覚えさらには、死語、難語も覚え、立派な日本人となった。そして彼が、漢字仮名交じり文を書けるようになったころには、彼は行方不明となった。
次回、「これこそ大躍進2~つい最近まで生きていた遠い親戚たち~」をお楽しみに。