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4話

 外へ出た俺は草原を探検することにした。

 商店に売るためのアイテムを探すついでに、地形の把握を行うためである。


 「草を好んで抜くなんて小学生以来だな……」

 この世界で初めて採ったあの草を何本か懐かしい気分となりつつ抜き、別のアイテムを探す。

 それから数分の間、無心でアイテムを探し、『アイテムボックス』に入れていった。


 「ふぅ……どれだけ溜まったかな?」

 集中して探したため少し疲れ、苦い草以外の『アイテムボックス』の中身を見る。

 『アイテム名:石ころ

  収納個数:3

  解説:大きさ5~10㎝程の石。

     当たると痛いだろう。

  使用効果:当たるとダメージを与える。

  アイテム名:リーゲの花

  収納個数:1

  解説:草原によく生えている毒草。

     蜜に毒を持ち、蜜を吸うと甘いが数日間下痢の症状が出る。

  使用効果:摂食時、微量の魔力を回復&数日間下痢効果。

  アイテム名:草バッタ

  収納個数:1

  解説:草原に生息する3㎝程の昆虫。

     食べると口の中に青臭さが広がる。

  使用効果:なし                        』

 アイテムボックス内の中に食べることができるものは無く、リーゲの花を切羽詰まったら……くらいである。


 「うーん、やっぱりモンスターを倒した方がいいのかなぁ?」

 アイテムを見て、俺は悩む。

 モンスターから素材を取るべきだろうが、武器を持っていないためだ。

 女神からの贈り物は『不死』と『アイテムボックス』であり、死んで蘇る戦法を取れば素材は獲得できる。しかし、痛みは回復しないためあまり使用するべきではないだろう。


 そうして考えていると、グルルルル…と呻き声が聞こえてきた。

 「……何だ!」

 呻き声の方を向いた瞬間、右足に凄まじい痛みが走り尻もちをついてしまった。

 見ると右足が噛みちぎられており、おびただしい量の血液が出ていた。


 痛みに耐えつつ、自身に攻撃してきた敵を見る。

 そこには口の周りを鮮血で濡らした痩せた犬がいた。

 噛みちぎった足の肉を咀嚼する姿は、自身が知る犬とは違い、モンスターを思わせる。

 (どうするべきだこれ……?)

 そんな中、俺は逃げるか石で攻撃するか迷っていた。

 犬の速度より足が速い保証は無く、石で攻撃したとしても殺せるかは分からない。

 そのように思考をぐるぐるさせていると、犬は食事を止めた。

 足の肉を食べたくらいでは足りないのであろう。荒い呼吸で近づいてくる。

 肉をもう一度噛み千切られれば痛みで気絶するだろう。

 俺は咄嗟に石を取り出し投げつけた。


 石は犬に命中したが、大きくは無かったこともあり少しひるませた程度だ。

 しかも刺激してしまったこともあり、飛び掛かってきた。

 そのまま多くの場所を噛み千切られ、俺の意識は薄れていった。



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