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ピーリング 作者:秋山 実
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001 スキニーギニアピッグ

「どうしたんだ? おまえ」

 手に取ったスキニーギニアピッグの背中の一部がボコッと盛り上がっている。
 まるで豆大福の豆が皮膚の下に入っているようだ。

「なんだこれ? もしかして腫瘍とか?」

 腫れているところを触ってみると、ゴツゴツした硬さが、毛のないモルモットの皮膚を通して伝わってくる。
 周りの組織と引っ付いているのか動きも悪い。

「なんだか癌っぽいな、これ」


 さて、どうしたものか。
 正常ではないモルモットから取ったデータは、比較対象にならないため意味をなさない。
 こいつはもう研究には不適格。用無しだ。

「処分だよなぁ、おまえ。まぁでも癌だったらどうせ死んじゃうし。そうじゃなかったとしても研究が終われば殺されちゃうか」

 空っぽのゲージに移そうと、モルモットを両手で抱き上げた。

「おいおい、そんな目で見るなよ」

 これからの自分の運命をわかるはずはないのだが、スキニーギニアピッグはそのピンク色の瞳でジッと僕を見つめている。

「もー、しかたがないなぁ、じゃあ天寿を全うするまで僕が飼ってやるよ。まぁ人間が実験用に繁殖させた生き物だから、天寿もへったくれもないだろうけど、せっかく生まれてきたんだしな。あぁ、ちょうどいいや、僕の話し相手になってくれよ、毎日一人で同じことをやっているから、独り言が増えちゃったんだよ」


御影治也(みかげはるや、27歳)
スキニーギニアピッグ(毛のないモルモット)


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