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ショートショート系

叩けば直る

作者: 山田結貴
掲載日:2014/06/04

 ある日、父がテレビに向かってブツブツと文句を言っていた。

「くそ、このポンコツめ。これじゃあまともに野球中継が見られないじゃないか」

 どうやら、テレビの調子がいつもより悪いらしい。

「そろそろ、新しいのに買い替えたら?」

 僕がさりげなく声をかけると、父は首を横に振った。

「いや、こういうものはこうすれば直る」

 そうきっぱりと返すと、父は乱暴な手つきでテレビをバシバシと叩き始めた。

「ちょっと、そんなことをしたら……」

 僕が心配した直後、今までノイズが走っていたテレビに鮮明な映像が映し出された。

 こんな直し方もあるのかあ。

 僕は、半信半疑ながらもすごいなあと思った。


 ある日、母が電子レンジに向かって困り顔を作っていた。

「おかしいわねえ。やっぱり古いのがいけないのかしら」

 どうやら、電子レンジがまともに動いてくれないらしい。

「そろそろ、新しいのに買い替えたら?」

 僕が呆れ顔で呟くと、母は笑いながらこう言った。

「大丈夫よ。こういうものは、こうすれば直るから」

 そして、母は手刀を作って電子レンジの側面をバシバシと叩き始めた。

「ちょっと、流石にそこまでやったら……」

 僕の額に冷や汗が浮かんだ頃、電子レンジは「ブオーン」と音を立てながら動き始めた。

 この直し方、やっぱり効果があるんだなあ。

 僕は、心の底からすごいなあと思った。


 ある日、姉が机に向かって眉間にしわを寄せていた。

「うーん。やっぱり難しいわ。こんなの、覚えられっこないわ」

 どうやら、学校のテスト勉強に苦しんでいるらしい。

「ねえ。僕がどうにかしてあげようか」

 僕が声をかけると、姉は半分笑いながら振り向いた。

「え、あんたが何とかしてくれるって? 無理よ。私が頭悪いの、知ってるでしょ」

 そして、再び机に向かってぶつくさ言い始めた。

「いや、僕。とっておきの方法を知ってるんだ。それを今から、姉ちゃんにやってあげるから」

 父と母から教わった、悪いものを直すとっておきの方法。それをとうとう、僕も実行してみようと思う。

 にっこりと微笑んでから金属バットを手に取り、僕は姉の頭を……。

良い読者は真似しないで下さい。

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― 新着の感想 ―
[一言] バカは死ななきゃ直らない 叩いたら本当に直った というホラーを思い付きました
2014/06/06 07:17 退会済み
管理
[一言] 遅ればせながら、拝読しました(^-^) この作品の雰囲気良いですね!文章も読みやすく、短いながらも起承転結がキレイにまとまってると思います。 もちろん評価もしっかりさせて頂きますよ( ´ …
[一言] このお話のこの雰囲気、かなり好きです。 中盤あたりで展開が少し見えてしまいますが、それでも最後まで流れるように、読んでしまいました。簡単な言葉をシンプルに並べて、淡々とした怖さを描かれている…
2014/06/04 21:07 退会済み
管理
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