眠い、ねむい、ネムイ、ネムイ Ⅰ
【眠い、ねむい、ネムイ、ネムイ】シリーズ第1弾です
小さくて可愛い、彼は言った
―苦しいときはガマンしないで言ってね―
私は涙を拭いながら頷いた。
―やくそくだよ―
うん。約束。
そう言って互いの小指を絡めた。
―ゆーびきりげんまん ウソついたら せーさんかりうむ のーますっ―
指切った
―ウソ、ついたね―
彼は無表情で私を壁に押し付け、思いがけない力で私の顎を掴んで
オブラートに包んだ粉末を飲ませた。
抵抗はしなかった。
それどころか私はこれから自分の身に起こる事に胸を弾ませていた。
そんな私の気持ちの昂りに気付いただろうか、
―罰じゃなくてこれじゃご褒美だね―
哀しそうな彼の顔を最後に視野は暗転し、
待ち焦がれた温かい死に包まれた。
冷たくなった私の体を痛いほど-当然感じないが-抱き締めて
彼はその喉が使い物にならなくなるまで哭き、
瞼がくっ付いて離れなくなるまで熱い、熱い涙を流した
【眠い、ねむい、ネムイ、ネムイ】シリーズ第1弾でした。