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魔術師は強かった  作者: 中山おでん
第一章 開始編
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第4話 この世界の魔術

エレアと出会って5日ほどが経った。毎日真面目に依頼をこなし、13000マニルほど稼いだ。いろいろと依頼をこなしたので、冒険者ランクも1から3に上がった。冒険者ランク3にもなると、魔物の討伐なんかも増えてくる。

しかし、俺たちは魔術師だがまだ魔法を覚えていないので、とりあえずレイルの本屋にでも行って魔術の本でも買ってくることにしよう。

「おーいエレア。」

「なに?ショータ。」

エレアもだんだんと元気になっていった。

「今日は本屋にでも行って魔術の本でも買いに行かないか?」

「うん、分かった。」

「よし、じゃあすぐ出発しよう。」

そうして俺たちは本屋へと向かった。


---------------------


「うーん、いろいろあるなぁ。」

本屋で魔術の本を探しているが、いろいろな本があった。どうやら、この世界では、魔術にもいろいろな種類があるらしい。

●攻撃系統

・炎属性魔術

・水属性魔術

・風属性魔術

・土属性魔術

・闇属性魔術

・聖属性魔術

◯回復・補助系統

・回復魔術

・時間魔術

・幻惑魔術

補助系統には他にも色々な魔術があるらしいが、大まかに分けるとこんなもんだろう。

そして、それぞれの魔術の中でも威力や範囲などによってランクが決められており、ランクの低い順に、


・下位

・中位

・上位

・凰級

・超級

・極級

・星級

・滅級


となっている。だいたい、上位魔術ぐらいまでなら、そこら辺の本屋に売っている本にも詳しく載っているが、凰級魔術にもなると、そこらの本屋には載っておらず、大きい本屋にしかなく、超級以上の魔術は使える者も限られていて、魔術が載っている本もほとんどない。まあ、 超級以上の魔術は、威力もえげつないし、そうそう使わないらしいが。

とりあえず、炎属性と水属性、回復魔術と幻惑魔術の上位までの本を買った。

明日にでも、街の外で試してみるか。

「よし、それじゃあエレア、帰るか。」

「うん、分かった。」

そうして、俺は宿に戻った。


----------------------


次の日 

「よし、ここらへんで試してみるか!」

俺たちは街の外に出て、魔術を使ってみることにした。

人がいると危ないので、街から少し離れた草原で試してみる。

「えっと、じゃあ、まずはエレアから使ってみてくれ。」

俺は魔術の発動方法はよくわからないので、まずはエレアに使わせて、それを見様見真似でやってみようかな。

「分かった。じゃあ、炎属性の下位魔術を使ってみるね。」

そう言うと、エレアは本を見ながら、詠唱を始めた。

「えーっと、我が敵を炎の力にて燃やし尽くさん フランマ!」

そう唱えると、エレアの顔ぐらいの大きさの炎が数メートル先にある木をめがけて放たれ、炎を受けた木は強く燃えた。

「おい、エレア!やばい、あのままだと周りにも燃え移るぞ!水の魔術ではやく消火しろ!」

「あわわわ、わかった!」

俺もテンパっていたが、エレアはもっとテンパっていた。かわいい。いやいや、今はそんなことはどうでもいい。

エレアは急いで水魔術の本を取り出し、本を見ながら、魔術を唱えた。

「えっとえっと、我が敵を水の力にて流し尽くさん アクアバレット!」

エレアがそう唱えると、燃えている木をめがけてさっきの炎と同じくらいの大きさの水の玉が放たれた。それは燃えていた木の火を消し、木を根元から叩き折った。

「ま、まあ消火できたからいいだろ。」

「そ、そうだね。あはは。」

「コホン、じゃあ次は俺が使ってみるか。」

エレアのを見て、なんとなくどうやればいいのかはわかった。

「じゃあ俺はあそこの池をめがけて撃つよ。」

また火魔術で何かが燃えても面倒だしな。

まずは深呼吸、すぅ〜っ、はぁ〜、よし、手に魔力を集中させて、本の詠唱を見ながら、

「我が敵を炎の力にて燃やし尽くさん フランマ!」

そう唱えると、エレアの時と同じように、池をめがけて炎の玉が発射された。

「え?」

しかし、エレアの時とは何か違った。エレアのフランマは顔ぐらいのサイズだったのに、なぜか俺のフランマはバランスボールぐらいのサイズがあった。

確か、本によると、威力は魔術によってほとんど決まっているらしいが、なぜ俺のはこんなに大きいんだろうか。

「ショータ、すごいね!」

エレアが褒めてくれている。まぁ木にすることではないだろう。俺は魔力が他より圧倒的に高いみたいだし、そのせいなのかもしれない。


----------------------


宿に戻ってきた。結局、4時間ほど魔術を使って、俺は炎と水を上位、幻惑魔術を中位まで使えた。

「なんか今日も疲れたな。」

前世と違って、異世界に来てから忙しくて、疲れが溜まる。

「うん、そうだね。でも、色々な魔術を使えるようになったし、楽しかったよ。」

エレアはにこやかにそう言った。エレアは、結局炎と回復魔術を上位、水と幻惑魔術を中位まで使えるようになった。俺は知力が低いから回復魔術は使えないからな。エレアが使えるとこれから冒険に行くときにも助かる。

とりあえず、明日は弱い魔物の討伐の依頼でも受けてみようかな。もう冒険者ランク3だし、雑用のような依頼もあまりないし、魔物の討伐のほうが多く稼げるからな。

「エレア、明日は魔物の討伐の依頼でも受けてみよう。」

「うん、わかった。」

「よし、決まりだな。」

異世界に来て、疲れるけど、前世よりも少し楽しく感じた。前世では、毎日学校に行って、勉強をして家に帰って、次の日またそれを繰り返すという同じことばかりを繰り返していた。前世では人生が楽しいとはあまり思わなかった。でも、この世界に来て、俺は少し楽しいと思うようになった。依頼をこなすと依頼主が笑顔でお礼を言ってくれる。その顔を見ると、俺は達成感を感じる。また、エレアと出会って、彼女と暮らしていると、不思議と安心感のようなものも出てきた。

なんか俺、変わったな。そう感じるようになった。

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