第26話 王国にて
カルテイル王国の門をくぐると、聳え立っている純白の王城が見えてきた。。
「ここの王様のロドリス・カルテイル様は自分が参戦した戦は50戦48勝らしいぜ。その神がかった強さで、20年ぐらい前まではここらへんもいろんな国があったらしいが、王様が一体を統一したらしいぜ。」
俺達がカルテイル王城にに見惚れていると、ターナーが俺達にそう言った。
どうやら、王様はもう結構な歳らしいが、まだ現役のようだ。50戦48勝か。そこは全勝じゃないんだな⋯いや、ほとんどの戦で勝っていて、ここらへん一体を統一しているんだ。相当な強さなのだろう。
「ふうん、よく知ってんだな。」
俺がターナーに感心してそう言うと、
「俺はこういうことには詳しいんだよ。何でも聞いてくれや。」
と、意気揚々になっていたが、
「へっ、その物知りをもう少し有意義なところで使ってくれたらもう少し役に立ったと思うんだがな。」
メルトがターナーに向かってそう言うと、
「なんだと?この脳筋バカが!」
ターナーも言い返し、この後数分ほどターナーとメルトが罵詈雑言をお互いに浴びせあった。
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一通り喧嘩も終え、とりあえず、冒険者ギルドの前まで来た。
「そんじゃ、俺達はこのままギルドに行くけど、お前たちはどうするんだ?」
ターナーたちはそのままギルドに入るらしい。俺達はこれからのことは何も考えていなかったな。
「そうだな、俺達は取り敢えずこの王国を散歩でもしようかな。」
俺は何も予定はないし、そう言った。
「へっ、お気楽だな。でも、ここでお別れならもう一度礼を言っておかないとな。ありがとな。」
ターナー達はそう言い、ギルドの中に入っていった。
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ショータ達がカルテイル王国に到着する2日前
─カルテイル王城─
カルテイル王国第23代当主、ロドリス・カルテイルは、いつもの様に、謁見の間にて玉座に座り、様々な民衆と対面していた。
そして、日も暮れ、今日最後の謁見も終え、少し疲れたからと、寝室へと戻っていった。
「全く、そろそろ別の奴に当主の座も譲りたいがのう。」
ロドリス王には、子供がいなかった。セルカという王妃がいたが、すぐに亡くなってしまい、それ以降誰とも結婚はしなかったため、子供はいない。そのため、もう50歳を過ぎているが、まだ王の座を降りることができないのである。
50歳を過ぎているとは言え、顔立ちもまだ若く、筋力は20代にも負けないほどであるが、どれだけ強い人間でも、衰えには勝てないものである。
そんなことを考えながら、ちょっと一人にしてくれと、寝室にいる衛兵を部屋の外に出した。
「やれやれ、風邪でも引いたか?」
今日、あまり食欲がない。風邪を引いたかとも思ったが、別に熱っぽくもなければ、きついわけでもない。ただの疲れだろうか。
「ふう」と、ため息を一度つき、キングサイズのベッドに、腰掛けた。
このベッドでもずっと1人でしか寝ていない。王妃がいた頃は毎日のように王妃を抱いていたが、その王妃もすぐに流行りの病で亡くなった。戦での実力はカルテイル王国史上最強とも言われたが、誰にも見せず、心の内に秘めた密かな孤独があるのだ。
「フッ、俺は何を考えているのか。王妃をなくしてからもう何十年も前になるというのに。」
しばらくボンヤリと寝室の窓から外の景色を眺める。自分の国の城下町が一望できる。ロドリス王は、王国の民からも慕われている。民から慕われていることに文句など全くないのだが、やはり王妃が亡くなってから心にポッカリと穴が空いたような気分でここまで来た。
「うん?」
窓の外を眺めていると、部屋の中に気配を感じた。
「誰だ?」
王はすぐにそう言い、すぐ側にある剣を取り、鞘から抜く。この剣は、魔剣ウォリアといい、300年ほど前に王国随一と言われた鍛冶師によって作られた代物である。この魔剣ウォリアは、装備者の魔力に、与えるダメージが依存するという能力を持っている。なので、この剣の装備者は、ただ力がある者よりも、より魔力を持った者のほうがこの剣をより上手く扱えるのである。
ロドリス王は、力も然る事ながら、魔力もカルテイル王国の魔術師団に匹敵するほどの魔力を持っており、この剣を持つに相応しい人物と言えるだろう。
ロドリス王は、気配を感じて魔剣ウォリアを構え、動きを止める。
と、その時、
「久しぶりですね。あなた。」
見覚えのある声が聞こえた。その瞬間に、王の表情が警戒から一気に驚きへと変わった。
「セル⋯カ?」
部屋のタンスの影から、見覚えのある、そして懐かしい王妃が見えた。
もう何十年も前に亡くなったはずの王妃セルカが、目の前に現れたのだ。亡くなって何十年経った今でも、その顔も声も忘れたことはない。
ロドリス王は、すぐに剣を鞘に収め、ベッドの上に置き、全く警戒などせずに王妃に近づく。
「ああ、お前は本当にセルカ⋯なのか?」
ロドリス王はそう言いながらセルカへと近づく。
「ええ、久しぶりですね。私も会いたかったですよ。」
セルカは、微笑みながら柔らかい口調でそう答える。
「ああ⋯久しぶりだな。一体どこにいたんだ?」
ロドリス王はセルカの目の前に立ち、そう聞いた。
すると、
「どこに⋯?う〜ん、どこにしようかなぁ。」
急にセルカの口調が変わった。
「フフフ、こんな変装にも気づけないとは、ロドリス王も落ちたもんだね。それとも、この変装がうますぎたのかな?なら、あいつには感謝しておかないとね。」
急にセルカの⋯いや、目の前のセルカの姿をした人物の声と口調が変わった。
ロドリス王は驚き、
「お前は⋯誰だ?」
そう尋ねた。
「僕?僕は、魔王様直属の配下五人衆の一人、フィリルさ。」
そう言い、フィリルはセルカの変装で着ている服をバッと音を立て、ビリッと破きながら剥がした。
すると、顔や体の色、全てがセルカではなく、フィリル本来の姿である紫の肌、茶色のポロシャツにスラックスのようなズボンを履いた格好になった。
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現在
─ショータ一行─
「うんめ〜ぇ!」
ショータ達は、カルテイル王国のご飯に感動していた。




