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魔術師は強かった  作者: 中山おでん
第二章 アラストロ編
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第21話 紫髪の少女


「第2ラウンドってところか。やろうぜ。」


自身の魔鉱石の力を取り込み、パワーアップしたドラゴンを見ながら、そう言った。


目の前ではパワーアップしたフリーズドラゴンが全身を青白く光らせている。


「パワーアップしていますので、もしかしたら防護魔術では攻撃が防げないかもしれません。気をつけてくださいね。」


兵士の一人が言った。


「ええ、分かってます。」


俺は咄嗟にそう返事したが、こんなことになるとは知らなかったので、作戦も立ってないし、どうしようか戸惑っている。


そんなことを考えていると、ドラゴンが大きく雄叫びをあげた。


「攻撃が来るぞ!バワーアップしているから気をつけろよ!」


俺はみんなに向かってそう言い、防護魔術に込める魔力を最大限に強めた。


と、フリーズドラゴンが、雄叫びをあげるのをやめて、尻尾をしならせ、


「危ないぞ!」


ガイエルがそう言ったが、遅かった。


バシンッと言う音がし、俺はふっ飛ばされた。



「ぐわっ、痛ってえ⋯。」


いつの間にか、フリーズドラゴンはしならせた尻尾をものすごいスピードでこちらへと振り回していた。


俺達全員にその尻尾は直撃し、全員が10メートルほどふっ飛ばされていた。


俺は起き上がろうとすると、全身にズキンと強い痛みが走った。


「痛っ!肋骨でも折った⋯のか⋯?クソが、死にたくねえよ⋯。」


俺は回復魔術が使えないので、エレアに頼みたいが、エレアを見てみると、俺より大きな怪我ではなさそうだが、、彼女も骨折しているのか、痛そうな顔をしながら自分に回復魔術をかけていた。


「そうだ⋯あのドラゴンは⋯?」


俺が倒れたままドラゴンを探すと、


「え?」


ドラゴンは、俺と3メートルほど離れたところで、俺を睨みつけていた。


「や、やばい。」


俺は痛みを我慢しながら、防護魔術を発動しようとしたが、発動しなかった。


フリーズドラゴンは再び雄叫びをあげ、前足を振り上げた。


「ああ、終わった⋯。」


俺はすぐに諦めがついた。ついさっきまでは死にたくないなんて思ったが、こうやって死ぬことを確信すると、諦めがつくもんなんだな。もう少し、この世界について知りたかったし、ちゃんとした人生を送りたかった。


ドラゴンが俺に向かって前足を振り下ろした。


俺は全てを諦め、目を閉じた。




と、その時、


目の前で、ザンッ!という音が聞こえた。

その瞬間に、フリーズドラゴンの大きな叫び声が聞こえ、ドサッという音がした。


「なん⋯だ?」


俺は目を開けてみると、目の前には、フリーズドラゴンが倒れ、死んでいた。


ドラゴンの首の上には、一人の紫の髪の少女が槍をドラゴンの首に刺しながら立っていた。


「おい、あんた、大丈夫か?」


その少女は俺を見るなり、そう言った。


「え?ああ⋯、大丈夫だ。イテッ⋯。」


「おいおい、大丈夫じゃねえじゃねえか。私は魔術なんて知らねえから治せねえぞ。回復魔術使えるやつはいないのか?」


そう少女は言った。


「あのさ、あなたは何者なの?」


俺が呆然としていると、後ろから声が聞こえた。

俺が痛みを我慢しながら振り向くと、エレアが倒れたまま聞いてきた。


「うん?私?私はこの山の近くの森に一人で住んでるただの女だ。なんか音がしたからここに来たらこのドラゴンがいたから倒しただけだ。⋯おい、それより、お前は回復魔術が使えねえのか?見たところ、お前も魔術師っぽいけど。」


「あ、そうだね。私は回復魔術使えるよ。」


エレアがそう言い、全員に回復魔術をかけた。



「ありがとなエレア。」


俺はエレアに礼を言い、立ち上がった。


「大丈夫そうだな。こいつの後始末はあんたたちでしといてくれ。じゃあな。」


その少女は死んだフリーズドラゴンの首から槍を引き抜き、立ち去ろうとした。


「おい、待ってくれ。」


俺は咄嗟に引き止めた。


「うん?なんだ?」


少女が俺の言葉を聞いて振り向き、そう言った。


「助かったぜ。ありがとな。」

俺はそう言った。


「なんだ?礼ならいらねえよ。」


そう言い、また少女は立ち去ろうと歩き出した。


「ちょっと待ってくれ。」


俺はまた引き止めた。


「うん?まだ何かあるのか?さっさとしてくれよ。」

少女はめんどくさそうに振り向いた。


「あのさ、お前さっき、一人で森に住んでるって言ったよな?」


「まあな。近くには誰もいねえよ。それがどうかしたのか?」

少女はそう返事した。



「じゃあさ、その⋯、俺達の仲間にならねえか?」


俺はそう言った。

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