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魔術師は強かった  作者: 中山おでん
第二章 アラストロ編
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第16話 アラストロの市長

俺達が防護魔術の練習を終え、宿に戻ると、俺宛に市長の手紙が来ていた。


なぜアラストロ市長から俺宛に手紙が来ているのだろうか。

まあなんとなく察しはつく。迷宮での出来事が関係しているのだろうな。

でも、それがあったとしても市長がわざわざ俺に手紙を送ったのだろうか。何か用でもあるのかな。


「ナカタニ様、市長からの伝言で、なるべく明日には来てほしいとのことです。」

宿の店主にそう言われた。


「来てほしい?どこに?」


「詳しくはその手紙に載ってあるそうです。私は今の伝言しか聞いていないので⋯。」

そう言われた。


「わかりました。」

そう言い、俺達は手紙を持って部屋へ戻った。


---------------------


「ねぇ、ここの市長からの手紙って市長が私達に何か用なの?」

部屋に戻るなり、エレアが聞いてきた。


「さあ、俺は何も知らない。詳しくはこの手紙に載っているらしいし、とりあえず手紙を読んでみよう。」

そう言い、俺は封筒を開け、手紙を読み始めた。



−−−


ナカタニ・ショータ様


はじめまして、ここ魔術都市アラストロ市長のエルゼン・マルスティスと申します。いきなりのお手紙ということで驚きかもしれませんが、平にご容赦を。


先日、この街の冒険者ギルドのマスターから聞いたのですが、貴方様とその御一行が、なんと近くの迷宮で魔人族に囚われていた冒険者達を救出してくださったとか。


その冒険者は、この街の中でも屈指の強さを持つ者たちでしたが、そのような者たちに勝つようなあなたたちならと今回一つ依頼をさせていただきたいと思っております。


この手紙に依頼の内容を書くと、他の者たちに見られてしまう可能性もありますので、後日、私の家に来ていただけませんでしょうか。

後日、私の家にて詳細をお話ししようと思います。

私の家は、この街の中心部にあります。もし場所が分からなくなっても、街の者に聞けば分かると思います。


なるべく早めにお越しいただきますようよろしくお願いします。


  魔術都市アラストロ市長

        エルゼン・マルスティス


−−−


なるほど、さっきここの店主が言っていた、なるべく早めに来いっていう伝言は、市長の家に行く日にちのことだったのか。


「依頼ってなんだろうな。」

俺は依頼というのが気になった。


「まあ、俺達に直々に手紙までよこすってことはまあまあ大きめの依頼なのかもしれないな。」

ガイエルが言った。確かにそうかもしれない。前置きで俺たちの迷宮でのことについて触れていたしな。


「とりあえず今日はもう日が暮れてるし、明日に行ったらいいんじゃない?」

エレアが言った。今日は防護魔術の練習をしたせいで、すでに日が暮れてしまっている。


「そうだな。明日の朝に行こう。」


---------------------


次の朝、俺達は市長の家に着いた。


「ここだな。結構でかいな。」

手紙通り、市長の家は街の中心部にあった。どの家かもすぐにわかった。広い庭に、2階建ての豪邸、それを2メートルぐらいの柵で囲ってあった。そして、正面の門には鎧を着た2人の門番がいた。


「まあ、市長の家ともあれば、こんなものだろう。」


俺とエレアは驚いていたが、ガイエルは普通にしていた。


ていうか、ガイエルはあまり感情を表に出さないので、驚いているのかどうかも分からない。


「とりあえず、門番のところに行ってみるか。」


俺は門番のところに行った。




「あの、俺はナカタニ・ショータっていうんですけど⋯。市長からここに来いと手紙で伝えられたのでここに来ました。」

俺が門番にそう言うと、


「む、ナカタニ・ショータ様ですね。市長がお待ちかねです。さあこちらへどうぞ。」

門番にそう言われ、門を開けて庭に通された。


俺達が庭の石畳でできた道を通り、屋敷の扉の目の前に着くと、また門番が1人いた。

俺が事情を説明しようとすると、


「ナカタニ・ショータ様ですね。市長の部屋に案内します。こちらにどうぞ。」


そう言われ、屋敷の扉を開け、市長の部屋に案内された。


---------------------


案内された部屋は、1階の奥の部屋だった。扉が他の部屋と違うあたり、ここが応接間なのだろう。


「市長、ナカタニ・ショータ様をお連れしました。」

俺達を案内した門番が扉の前でそう言うと、


「分かった、ご苦労。所定の位置に戻っていいぞ。」

男の声が聞こえた。


「ハッ。」

門番はそう言い、玄関の方へ戻っていった。


「さて、ナカタニ殿とその御一行。入ってよろしいですぞ。」

扉の向こうから男にそう言われたので、俺達は扉を開けた。



「始めまして、ナカタニ殿、そしてエレア殿、ガイエル殿。今日はお越しいただき感謝します。」


そこには、椅子に座った40代くらいの顎髭を蓄えた中年の男がいた。優しそうな顔をしていたが、体格はがっしりとしていた。この人が市長だろうな。


「さあ、こちらの椅子におかけください。」


市長にそう言われたので、俺達は市長と対面になるようにソファーに腰掛けた。

俺達が座ると、市長が話し始めた、

「まず、翌日に来て頂くとは、ご配慮感謝します。

さて、手紙は読まれたと思いますが、依頼の内容について今からお話したいと思います。」


「何か重大なことだったりするんですか?」

俺が聞いた。すると、


「重大ではありますが、内容は人には話さないようにお願いいたします。」

そう釘を差された。


「で、依頼とは何だ?」

ガイエルがタメ口で聞いた。おいおい、タメ口はやばいんじゃないか。


「あぁ、話がそれましたね。では、今回の依頼の内容についてお話したいと思います。」


一体どんな依頼なのだろうか。なるべく簡単なやつがいいな。そんな事あるわけないと思うが。



「今回の依頼の内容は⋯、西の山に巣食うドラゴンの討伐です。」


市長はそう言った。


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