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魔術師は強かった  作者: 中山おでん
第二章 アラストロ編
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第15話 防護魔術は強かった


街の外に出て1キロぐらいのところにある草原に来た。


「ここらへんでいいな。」


「ねえ?面白い魔術って何?速く教えてよ。」

エレアが聞いてきた。


「今から試してみるよ。」


そう言い、俺は手を前にかざし、深呼吸をした。

そして、魔力をてのひらに集中させた。

この世界に最初に来てギルドカードに魔力を込めた時と同じようにやればいいだろう。


俺がしばらく手に魔力を集中させていると、2人は不思議そうな顔をしていたが、気にせずに続ける。





それを2分ほど続けていると、何かが全身にまとったような気がした。そして、俺の周りに半径1メートルぐらいの範囲に光る壁ができ、俺を囲った。

俺は防護魔術を使うのは初めてだが、これだと確信した。本に書いてあったとおりだ。


「おい、エレア、俺に向かって何か攻撃魔術を撃ってみてくれ。」


俺がそう言うと、エレアは驚いた顔をして、


「え?なんで?」

と言った。どうやら、この光る壁は使用者にしか見えないらしい。


「いいから撃ってみてくれ。なるべく弱い魔術で。」


「じゃ、じゃあ撃ってみるよ。でも本当に大丈夫⋯?」


エレアは心配そうな表情をしながらも、俺から少し離れて詠唱をし始めた。


「『サクソーム』!」


エレアは土魔術を放った。エレアから放たれた直径40センチぐらいの岩は速いスピードで向かってきた。結構怖いが、防護魔術を信じて、俺は動かずに魔力を込め続けた。




エレアが撃った岩が、こっちに向かって飛んできたが、光る壁に当たった瞬間に、


ガァン!


と大きな音をたてて、地面に落ちた。

よし、成功だな!


「え?ショータ?今のどうやったの?」

エレアがとても驚いた表情で俺に聞いてきた。


「これがさっき言った面白い魔術ってやつだ。これは防護魔術ってやつで、魔術や物理攻撃から自分の身を守ってくれるって魔術だ。」


「へえ〜、ものすごく便利だね。あ、物理攻撃も防げるなら、ガイエルにも試してもらったら?まだ物理攻撃は試してないでしょう?」

エレアがそう言った。

確かにまだ物理攻撃は試していない。でも、さっき土魔術の岩を防いだから大丈夫だとは思うが⋯。


「じゃあ、一応やってみるか。ガイエル、俺をその剣で攻撃してみてくれ。」

そう言うと、さっきの一部始終を黙ってみていたガイエルは、


「分かった。だが、本気ではいかんぞ。もしものこともあるしな。」


そう言い、ガイエルは剣を構え、俺に向かって走り出し、俺の近くに来たところで俺に向かって剣を振り下ろした。


「ふん!」


ガイエルは剣を振り下ろしたが、その剣は俺には当たらず、



ガチィン!!


と大きな音を立てて防護魔術の壁に当たった。


「なんだ?何か壁のように当たったが、これが防護魔術か?」


「ああ。」


「これはすごいな。」


ガイエルは感心し、剣をおさめた。


「でも、まだ発動させるのに時間がかかるから、もう少し練習してみるよ。」


そう言い、俺はまた手に魔力を込め始めた。


---------------------


宿に戻ってきた。日が暮れ始めている。

あの後、1時間ぐらい練習して、俺はコツをつかんだ。

俺は手に魔力を集中させるイメージでやっていたが、発動までに時間がかかりすぎるので、やり方を変えようと思い、全身から魔力を放出させるイメージでやってみると、すぐに防護魔術は発動した。


また、防護魔術も最初は範囲も狭かったが、魔力を調整すると、範囲も自由に変えられるようになった。


たった1時間でここまでいけたのは大きい。これから前のフィリルのように強い敵と出会ってもこの魔術は重宝しそうだ。


そういえば、エレアもこの魔術を使いたいと言ったので、俺はやり方を教えたが、エレアは防護魔術を使えなかった。エレアも魔力は高いので、俺の教え方が悪かったのかもしれない。


そんなことを考えながら、自分たちの部屋に戻ろうとしていると、


「すみません。」


宿の店主に呼び止められた。


「ナカタニ・ショータ様、手紙を預かっております。」

店主はそう言い、俺に手紙を渡した。


「手紙?誰からだ?」


「裏に差出人は書いてあるのではないか?」

ガイエルにそう言われたので、裏面を見てみると、


「えーと、魔術都市アラストロ⋯市長!?」


手紙の差出人はここアラストロの市長だった。

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