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魔術師は強かった  作者: 中山おでん
第二章 アラストロ編
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第11話 対フィリル



「では、魔王が配下五人衆が一人、魔術担当、フィリル・ベレーゲン、いざ参らん!」


フィリルとの戦闘が始まった。


「ショータ!一番威力の高い魔術を撃て!」

ガイエルが叫び、前に出た。


「おう!」

俺の中で一番威力の高い魔術、凰級魔術を撃つ。俺はまだ凰級魔術を使ったことはない。だが、炎属性魔術の凰級なら、詠唱は昨日のうちに覚えている。少しギャンブルにはなるが、試してみるしかない。


「いいねぇ。楽しみだし、待ってあげるよ。君の魔術がどのくらいなのか僕が採点してあげるよ。」

フィリルはそう言った。


「そう言ったことを後悔させてやる!」

俺が大声で言った。


「面白い。ぜひ僕を楽しませてくれ。」


「すぅ〜っ、⋯はぁ〜、よし、」

杖を両手で持ち、深呼吸をした。

そして、フィリルに杖の先を向けた。

唱えるのは炎属性の凰級魔術『インフェルノ』標的のところで火柱を起こす魔術だ。火柱の範囲は狭いが、威力は凰級魔術なだけあって、非常に高い。


「炎を司る神よ!その力ですべてを燃え上がらせん!」


「おお、凰級魔術か、もしかして、君はなかなか強い魔術師なのか?」

フィリルはそう言ったが、俺は無視して、


「『インフェルノ』!」


魔術を唱えた。その瞬間に、フィリルのいるところで大きな火柱が立った。

その火柱は、数十秒ほど燃え続けた。


「どう?やった?」

 ⋯あ、やばい。

「おいエレア⋯、それはフラグだぞ。」 

「?、フラグって?」 

「いや、なんでもない。」

エレアがいらんことを言ってしまった。そんな事を言ったら、絶対フラグになってしまう。

そう思い、焦っていると、


「ふはははは、すごい威力じゃないか。これが凰級魔術だなんて、僕は驚いたよ。」


少し消えかかった炎の中から、声が聞こえた。

やっぱりだ。さっきエレアがあんな事を言ったせいだ。うん、きっとそうだ。それに違いないな。うん。

しばらくすると、炎の中からフィリルが出てきた。服には傷があまりなかった。何か耐性でも付いているのだろう。フィリル自身も、傷はあったが、さっきの声からすると、あまりダメージは与えていなさそうだ。さすが、魔王直属の配下ってところだな。


そんな事を考えていると、


「おい、そこの魔術師の男、名前はなんというんだ?」

フィリルがそんなことを俺に聞いてきた。


「俺か?俺は、ショータだ。中谷翔太。」


「ナカタニショータ?変な名前だな。まあいい、お前のさっきの魔術、僕は驚いたぞ。凰級魔術なのに、お前の魔術は他の魔術師が撃つものよりも威力が格段に高い。僕も少しマズいかもなって思っちゃったよ。まあ、見ての通り、ほとんどケガはしていないけどね。」


そいつは、俺の名前を聞くと、平然と話しだした。やっぱり、ダメージはほとんど与えていないな。


「じゃあ、今度は僕からもいくよ。存分にかかってきなよ。」


そう言うと、フィリルは詠唱を始めた。

「氷の神よ、その力を天より知らしめん⋯」

あの詠唱は、は水魔術の上位か。確か、空から氷柱が降ってくる魔術だ。マズい。

「エレア!ガイエル!空から氷柱が降ってくるぞ!防御するか炎魔術で相殺しろ!」

俺はそう叫んだ。


「『グラーシャン』!」


フィリルは詠唱を終え、魔術を唱えた。

マズい。魔術の相殺は間に合わないかもな。

じゃあ、防御するしかない。


フィリルが魔術を唱えてすぐに、迷宮の天井から氷柱が降ってきた。

俺は杖と腕で防御した。腕は怪我しても回復魔術で治せるし、体に当たるよりマシだからな。他の2人を見ると、2人とも同じように、武器を使って防御していた。


しばらくすると、氷柱はやんだが、 


「ほらほら、そんなに防御に徹してばっかりじゃあやられっぱなしだよ?」


フィリルかそう言ってきた。そして、また営業を始めた。


「氷の神よ、その力を天より知らしめん⋯」


魔術はさっきと同じ『グラーシャン』だな。

今度は対処できるぞ。

そう思い、

「二人とも、俺の近くに寄れ!!」

「わかった!」

「ああ。」

二人がこっちに走って向かってきた。

それと同時に、俺は早口で、

「その炎の力ですべてを焼き尽くさん⋯」

使うのは炎属性の中位魔術『アルデアート』

この魔術は広範囲を炎で燃やすという魔術だから、これで『グラーシャン』を相殺しようという算段だ。


「『グラーシャン』!」

フィリルが唱えるのと同時に、


「『アルデアート』!」

俺も天井に向かって唱えた。


氷柱と炎がぶつかり合い、どちらも消えてなくなった。


「水の力の恐ろしさを⋯」

フィリルがまた詠唱を始めた。

すると、

「うおおおお!」

ガイエルがフィリルに向かって剣を構え、走り出した。フィリルの詠唱はまだ終わっていない。となると、ガイエルがフィリルを攻撃するほうが早いはずだ。

「よし、いいぞガイエル!」

俺がそう叫んだ。


すると、フィリルは詠唱を中断し、にやりと笑い、


「『フルーエン』」


なんと、詠唱を中断したのに、魔術を撃った。放たれた水の玉は、ガイエルに直撃した。

ガイエルはその水の玉がに直撃し、後ろにふっ飛ばされた。

幸い、水属性の下位魔術だったので、大きなダメージにはならなかった。


「フフフ、僕を舐めてもらっちゃあ困るよ。」

フィリルがそう笑った。

 「なんで?詠唱を中断したのに…?」

俺が聞くと、


「僕は魔王様の直属の配下で、魔術担当だよ?詠唱ぐらいなくても、中位の魔術ぐらいまでなら撃てるよ。」


つまりは無詠唱ってことか。

マズいな。どうしようか。

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