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テセウスの私

作者: ゆりく

愛と狂気が交錯する不気味な物語であり、主人公の心の葛藤と苦悩を描いています。彼女は自分自身が解き明かしたい謎に立ち向かい、自己を理解する旅に出ることになるのか。それともこの状況は永遠に続くのか。読者はこの恐怖に満ちた心理サスペンスに引き込まれ、驚きと興奮に震えることでしょう。

そこに居たのは私だった。


こんな時、あなたはどう思いますか?


私は一人暮らしのOL。


私には超大好きな彼氏がいる。

狂っているくらい好きな彼氏。

どのくらい狂っているかというと。彼と手を繋いでいる時、そのまま彼の手を持って帰りたいくらい彼が好き。彼とキスをしている時、そのまま顔ごと持って帰りたいくらい彼が好き。彼に抱かれている時、そのまま彼の全てを持って帰りたい(?)くらい彼が好き。


彼のクローンを作って、もう一人の彼を家に置いときたいくらい彼が好き。


と、まあこんな感じで彼の事が大好きなのである。

「「メンヘラではないぞ!!」」


そんな彼と今日は私の家で泊まりデートをする日ということで、私はウキウキしながら仕事をしている。

「ねえ、この仕事、前やりたいって言ってたよね?君に任せるよ。」

「!!・・・ありがとうございます!」

おい上司! 定時ギリギリじゃん!!!

よりによってどうして今日なの…で、でも、やりたかった仕事だし!がんばろう!!



~2時間後~

終わったぁぁ「「彼に残業の連絡してないのである」」ああああ!!!!!!

スマホ!連絡先!!彼氏!!!

「(連絡遅くなってごめんね、いま仕事終わった、すぐ帰ります。)送信!」


む。


時間になっても帰らない事に「大丈夫?」の連絡とかないのか。ぴえん。


少し悲しくなりながらも彼が家で待っているかもしれないので、私は急いで帰るのである。

家から職場までは20分くらいで着く距離だ。

移動中も彼からの連絡は無い。既読もつかない。

もしかして今日のデート忘れられているのかな…


~20分後~


来客用駐車場に彼の車が停めてある!

「!!!…良かった…来てんじゃん…。ふーん、このパターンか」

彼の家から車で10分くらいの距離に私の家はある。彼の休みの日は、よく連絡せず私の家に来て、サプライズで夕飯を作ってくれたりした。ちなみに合鍵は渡し済みである。


彼が脅かしてくるかもしれないので警戒しながらも少しの期待感を胸に扉を開けた。

ガチャ


「た…ただいま…」。

奥の部屋の明かりは付いているが、玄関の明かりは消えている。そして彼の靴と私がデートで履くお気に入りの靴が置いてある。

「あれ?」

私は整理整頓が大好きで普段はデート用の靴なんて靴箱にしまってあるはずだ。

「あ、明日デートだからか」

前日の朝からデートの準備をするとは、我ながら恥ずかしい。

「遠足前の小学生かっ」

ボソッと私にツッコミをいれた。



なにか変だ。


私の家は玄関入ってすぐにキッチンがあるのだが、洗い物がされている。

量的に二人分の食後の量だ。


さっきも言った様に私は整理整頓が大好きだ。昨日の洗い物は昨日のうちに洗って朝には片付けある。しかも二人分だなんておかしい。

そんなことを考えていると奥の部屋から


アンアンッ


女の喘ぎ声がする。


「ん?」

二人分の食器に女の喘ぎ声


「あ。」


頭が真っ白になった。

靴を脱ぐ事も忘れ、奥の部屋へと向かった。



ガチャ

「アンッ」

何かの間違えであってほしいと願いながら膨大な不安を胸に扉を開けた。

そこに広がった景色は自分が想像していた通りの地獄だった。裸の彼と私の枕で顔を隠した裸の女が交尾をしていた。何も考えられなかった。ただ、絶望していた。

そして彼が私に気付き私の名前を呼ぶ。

「○○(私の名前)?なんで?」

なんで?


私の家で、私の布団で、私の枕を、私の彼と、私の、私の、私の私の私の私の、、、


彼は全く動かない。女は何も言わず私の枕を使って顔を隠している。私も彼とする時は枕で顔を隠す。同じ事をしている女にすごく腹が立つ。怒りの矛先は彼よりもこの女へ向く。

こいつだけは絶対許さない。殺意に似た怒りで勢いよく女の枕を剥がした。


すると。


そこに居たのは私だった。


こんな時、あなたはどう思いますか?


ご覧いただきありがとうございました。


さて、皆さんは「テセウスの船」をご存知でしょうか?

簡単に説明しますと、

「テセウスの船の古いパーツを全て交換した時に、古いパーツで組んだ船はテセウスの船と呼べるのか?それとも新しいパーツで組んだ船がテセウスの船なのか?」

といったなんとかパラドックスのおはなしです。

このお話しと、僕の実体験からこの「テセウスの私」の制作にいたりました。

いや、実際に私が二人いたわけじゃありませんよ(笑)


作中に登場する主人公が言った「彼のクローンを作って、もう一人の彼を家に置いときたいくらい彼が好き。」に似たことを言われました(笑)

それくらい好かれてるんだーとか思いながらも、その場合もう一人の僕は何を思うんだろうって考えたら少し怖くなって、それを物語にしようと思い、こうなりました。

ま、こんな感じです!(書くのつかれた)


初投稿につきいろいろ不備があったと思いますが悪しからず。。

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